社長の手元に残るお金とは

ただ、中小企業には良いところもあります。赤字だからといって彼氏が貧乏だとは限らないということです。会社として残るお金は基本的には税引後の利益だけですが、社長個人は違います。大きくは、役員報酬と交際費が社長の自由になるお金として存在します。

会社は赤字でも、自分に給料を払っていればそれは使うことができますし、交際費として使っている経費は彼女との交遊に使えるかもしれません(本当は業務に関係のない経費は認められませんが・・・)。なので、内部留保+役員報酬+交際費。これが「彼」の経済力だと言えるでしょう。

あとは、資産として店舗を持っていたり、会社が過去に大もうけして資産として現預金などをたくさん持っていれば、それも彼の経済力として見ることもできます。借入がないか、資本は100%出資しているか、役員構成などもポイントとなります。

年商3千万円の彼氏が金持ちかどうかを見極める方法

従って、「彼氏の年商が3千万円」というだけで浮かれてはいけません。会社の粗利率、それが無理ならば業態を聞き、役員報酬と交際費はどれくらいかを会話の端々から類推し、把握しましょう。可能であれば、損益計算書と貸借対照表を入手し、資本構成なども別途確認しましょう。これはもうデューデリジェンス(DD)ですね。

本気で調べたいなら、帝国データバンクの調書を入手するとか、専門の調査機関(例えば探偵)を使ったりすることも選択肢に入ってくるでしょう。銀行員の担当者とお近づきになり、さりげなく経営状態を聞き出すことも、有益かもしれません。私が「彼氏」なら、そんな人とは、お付き合いしたくはありませんけどね(笑)。

結論として

なので、年商で人の価値を判断するのはやめましょう。人間の価値は年商では決まらないのです。年収ならまだわかりますが。少なくとも、「年商3千万円」という情報だけで安易に「すごい!」とか言っていたら、色々と騙されますよというお話です。世の中には、わざと混同して使う人もいますから。

という話を、楽しそうにテレビを見ている妻に滔々と説明しようかと少し考えるのですが、何のメリットもないのでやめておこうといつも思い留まっています。身の回りの人がこのことで騙されそうになったら、その時には役立つ情報なのかもしれないな、と思ったりもしているのです。ああ、自分、面倒くさい。

それでは、また。フラスコ代表、安田でした。

安田 修