投資信託の中でも人気が高い商品の一つ「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」。世界中の株式に分散投資できることや、信託報酬は0.05775%(税抜 年率0.0525%)とローコストな点に魅力を感じる人もいるでしょう。
一方で、昨今の世界情勢の変化により、特に初心者の方はオルカンへの投資に不安を感じ、これまでの運用実績が気になるという方もいるのではないでしょうか。
今回はオルカンのこれまでの騰落率や利回り、基準価格の値動きについて確認していきます。
1. 「オルカン(eMAXIS Slim全世界株式 オール・カントリー)」とは?
「オルカン」は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」という指数に連動した成果を目指し、日本をはじめとする先進国や新興国の株式の約2500銘柄に幅広く分散投資を行っています。
三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)月次レポート 2026年 02月27日現在」を参考に、組み入れ上位10位の国と地域をみてみましょう。
1.1 組入上位10カ国・地域(2026年2月時点)
- アメリカ (60.9%)
- 日本 (5.3%)
- イギリス (3.4%)
- カナダ (3.1%)
- 台湾 (2.6%)
- フランス (2.3%)
- スイス (2.2%)
- 韓国 (2.1%)
- ドイツ (2.1%)
- ケイマン諸島 (1.5%)など
構成比を見るとアメリカが約6割を占めており、米国の経済動向がパフォーマンスに影響しやすいでしょう。
2. オルカンの運用実績をチェック!騰落率と年利から見る利回りの推移
次に先ほどの月次レポートをもとにオルカンの騰落率を見ていきます。
- 設定日:2018年10月31日
- 過去1ヵ月:2.4%
- 過去3ヵ月:5.6%
- 過去6ヵ月:18.2%
- 過去1年:30.9%
- 過去3年:101.6%
- 設定来:245.4%
※2026年2月時点のデータです。
※騰落率は税引前の分配金を再投資したものとして算出されているため、実際の投資家利回りとは異なります。
上記の騰落率を年率に換算すると、以下の通りです。
- 1年: 18.6%
- 3年: 約26.3%
- 設定来(7年3カ月で計算):約18.5%
※これらの数値はあくまで過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
設定来(7年3カ月で計算)では年利約18%と高い水準ですが、期ごとのパフォーマンスには差があります。
過去5期の期中騰落率について、三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)交付運用目論見書 作成対象期間:2024年4月26日~2025年4月25日 第7期 決算日:2025年4月25日」を参考に確認しましょう。
2.1 直近5期の基準価格と期中騰落率
- 2020/4/27 期初:基準価格9685円
- 2021/4/26 決算日:基準価格1万4681円・基準価額騰落率51.6%
- 2022/4/25 決算日:基準価格1万6958円・基準価額騰落率15.5%
- 2023/4/25 決算日:基準価格1万7562円・基準価額騰落率3.6%
- 2024/4/25 決算日:基準価格2万4005円・基準価額騰落率36.7%
- 2025/4/25 決算日:基準価格2万4270円・基準価額騰落率1.1%
上記のように騰落率には大きな変動があることがわかります。
3. オルカンの基準価格をチャートで見る
続いて、オルカンの基準価格の推移をチャートで確認します(※2026年3月12日時点)。
3.1 オルカンの基準価格チャート(1年間)
オルカンの基準価格チャート(1年間)1/2
出所:各種資料をもとに筆者作成
2025年3月12日の基準価格は2万5239円となっており、その後2万円台前半となる時もありましたが、5月には2万円台後半となり、基本的には緩やかに上昇しています。2026年3月11日の基準価格は3万3909円です。
参考までに5年間のチャートも確認しましょう。
3.2 オルカンの基準価格チャート(5年間)
オルカンの基準価格チャート(5年間)2/2
出所:各種資料をもとに筆者作成
5年間でみると途中で基準価格が下がる局面もありますが、基本的に基準価格は上がっています。
4. オルカンを売却するタイミングはあらかじめ考えよう
今回はオルカンの主に運用実績に視点をあててみてきましたが、今後についてはわからないですし、資産運用ですから損をするリスクもあります。
オルカンのメリットははじめにも触れましたが、ローコストであり、全世界へ分散投資できることです。一方で株価や為替の影響を受けるため、投資信託の中ではリスク・リターンともに高めですし、構成比率の高い米国の経済状況や世界情勢の変化がパフォーマンスに影響を与えやすいでしょう。
投資はどの商品を選ぶかも大切ですが、「一括投資か、積立投資か」といった投資手法や、運用期間などを考えることも大切です。オルカンはNISA口座の対象となっており、毎月一定額を積み立てる積立投資で運用する人もいるでしょう。
毎月一定額を買い付ける積立投資の場合、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することにより購入単価が平準化される「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。これにより短期的な価格変動に一喜一憂せず、冷静な対応がしやすくなります。一方で長期的な積立投資をはじめる場合には、将来の売却タイミングについてもあらかじめ計画を立てておくとよいでしょう。
また、オルカンとともに人気がある投資信託にS&P500と呼ばれる「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」があります。オルカンがいいか、S&P500がいいか、それともどちらも買うかなど迷われた方は「「オルカンとS&P500」どっちがいい?両方買う意味はある?特徴や利回り、運用実績のチャートの違いを徹底比較!」の記事も参考にしてみてくださいね。
運用は自己責任であり、積立投資をする際には長期間投資しようと納得できる商品選びが重要です。この記事で紹介した情報を参考にしつつ、ご自身の投資方針やリスク許容度などもふまえて資産運用は考えてください。。
参考資料
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート2026年 02月27日現在」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)交付運用目論見書 作成対象期間:2024年4月26日~2025年4月25日 第7期 決算日:2025年4月25日」
宮野 茉莉子