「とりあえず銀行に預けておけば安心」
そう思って毎月のお金を普通預金に入れ続けていませんか?
日銀の利上げで銀行の普通預金金利はゼロ金利時代から改善されましたが、20年間コツコツ積み上げても、受け取れる利息は想像より少ないのが現実です。
さらに物価上昇が続く今、預金残高が増えていてもお金の実質的な価値は目減りし続けるリスクがあります。
では、同じ金額を新NISAで積立投資に回していたらどうでしょうか。
預金との差は、20年という時間をかけることで想像以上に大きく開く可能性があります。
本記事では、預金と積立投資の20年後を比較シミュレーションしながら、初心者でも選びやすいファンドの基準までわかりやすく解説します。
1. 「銀行預金」で月3万円ずつ貯金|20年後の資産はいくらになる?
2024年以降、日本銀行の利上げを受けてメガバンクの普通預金金利は0.3%程度まで上昇しました。
ゼロ金利時代と比べれば大きな改善ですが、現実はどうでしょうか。
月3万円を20年間、年利0.3%で預け続けた場合の試算は以下のとおりです。
- 元本合計:720万円
- 利息:約22万円(税引前)
- 最終資産額:約742万円
20年間預け続けても、受け取れる利息はわずか22万円程度。
ここから約20%の税金が差し引かれるため、実際に手元に残る金額はさらに少なくなります。
加えて、深刻なのがインフレリスクです。
たとえば、日本政府・日銀が目標とする年2%のインフレが続くと、20年後には現在と同じモノを買うのに約1.5倍のお金が必要になるでしょう。
つまり預金残高が増えていても、お金の実質的な価値は目減りし続けるのです。
2. 「銀行預金 vs 新NISAの積立投資」20年後の資産額を比較
2024年にスタートした新NISAの「つみたて投資枠」では、年間120万円までの積立投資が可能で、運用益は非課税となります。
月3万円を積立投資に回した場合、年利別の20年後の試算は以下のとおりです(複利計算)。
- 年利3%:981万円
- 年利5%:1217万円
- 年利7%:1523万円
投資元本720万円に対する運用益は、年利3%で約261万円、年利7%では約803万円。
新NISAであればこの運用益に税金がかかりません。
一方、銀行預金(普通預金金利0.3%のケース)で、20年間積み立てた場合の資産額は約742万円(税引前)です。
運用利回り次第では、数百万円規模の差が生じる可能性があります。
なぜここまで差がつくのか。答えは複利効果にあります。
運用で得た利益が元本に上乗せされ、翌年はその増えた元本全体に対してさらに利益が生まれる、いわば「雪だるま式」の増え方です。
20年という時間をかけることで、その差は大きくなることが考えられます。
3. 資産形成は「家計やライフスタイルに合った」選択を
積立投資をはじめる人のなかには、新NISAのつみたて投資枠に対応したインデックスファンドを検討するケースもあるでしょう。
資産運用の選択肢として、以下のようなものもあります。
3.1 ①全世界株式インデックスファンド
日本・米国・欧州・新興国など世界約50カ国の株式に一度に分散投資できます。
「一本で世界中に投資」できるシンプルさが初心者にも人気な傾向にあります。
3.2 ② 米国S&P500連動型ファンド
AppleやMicrosoftなど米国を代表する500社に連動するファンドです。
米国経済の成長を取り込める点が強みです。
もちろん、上記のようなファンド以外にも、日本株に連動するファンドや、債券を組み入れたバランス型のファンドなど、さまざまな選択肢があります。
ご自身のリスク許容度や、投資方針などに応じて投資先を検討することが大切です。
なお、ファンドを選ぶ際は信託報酬(コスト)の低さを重視するとよいでしょう。
年0.1%以下の低コストファンドも多数登場しており、長期では運用コストの差が最終リターンに大きく影響することが考えられます。
4. まとめにかえて
月3万円を20年間、銀行預金(普通預金金利0.3%のケース)に預け続けた場合の最終資産は約742万円(税引前)。
一方、同じ金額を新NISAで年利5%で積み立てた場合は約1217万円と、その差は475万円にもなります。
この差を生み出すのが「複利効果」と「非課税」という2つの力です。
時間をかけるほど差は広がる傾向にあり、20年という期間が複利の効果を最大限に引き出すことが期待できます。
もちろん、投資には元本割れのリスクがあり、将来の利回りを保証するものではありません。
ただ、インフレが続く今「預けておけば安心」という発想だけでは、お金の実質的な価値が目減りするリスクも忘れてはならないでしょう。
家計やライフスタイルに合った方法で、老後に向けた資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
加藤 聖人