3. 導入を後押しした国土交通省の新制度

今回の導入を後押ししたのが、国土交通省が新たに創設した米国製乗用車に関する認定制度(以下、米国車認定制度)です。

同制度は日米の貿易摩擦を解消するため、トランプ政権の要請を受ける形で、25年7月に合意され、今年2月16日に施行されました。

具体的には、アメリカの基準を通った車であれば日本の排ガス試験や騒音試験などの一部を簡素化することで、輸入のために必要だった膨大なコストや時間を削減します。

米国の安全基準をそのまま受け入れることで、日本向け専用設計(改修)が不要になるため、米国生産車の輸入ハードルが大きく引き下げられます。

注目されているポイントとして、米国仕様の「左ハンドル車」の輸入が促進されることが挙げられます。

これまでは、米国仕様車を日本で販売するには、灯火類の配光や死角対策など、日本の独自基準に適合させるための多額の改修費用と試験期間が必要でした。

しかし、新制度では米国の安全基準(FMVSS)を日本の基準と同等とみなす包括的な緩和がなされました。

これにより、メーカーは「右ハンドル化」や「日本専用設計」という巨額の投資を回避し、本場アメリカの仕様そのままで、かつ正規ディーラーの保証付きで販売することがビジネスとして可能になったのです。