2. 「年収1000万円と2000万円」実際の手取り額は「2倍」にならない?
民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者5137 万人のうち、年収1000万円を超える人の割合は全体の約6.2%、年収2000万円を超える層は、全体のわずか0.6%台と極めて希少な存在です。
年収が増えれば、それに伴い差し引かれる税金や社会保険料も増えていきます。ここでは、所得控除の少ない「独身(扶養なし)」という同一条件で、年収1000万円と2000万円の手取り額を比較してみましょう。
2.1 年収1000万円(独身・扶養なし)の場合
手取り額の目安は、年間で約720万〜740万円です。月額換算では約60万〜62万円となります。額面から所得税・住民税・社会保険料として、年間で合計260万〜280万円ほどが差し引かれる計算です。
2.2 年収2000万円(独身・扶養なし)の場合
手取り額の目安は、年間で約1300万円前後、月額換算では約108万円ほどになります。年収2000万円に達すると、累進課税制度によって所得税率が跳ね上がるため、額面から約700万円もの金額が税金や社会保険料として差し引かれます。
このように、額面上の年収が2倍になっても、手取り額は1.7〜1.8倍程度に留まります。これは、収入が上がるほど税率が高くなる日本の税制の仕組みによるものです。
【補足】家族構成による違い
配偶者や子どもがいる「扶養あり」のケースでは、配偶者控除や扶養控除が適用されるため、独身の場合よりも税負担が軽減されます。例えば年収1000万円で配偶者と子ども2人を扶養している場合、手取り額は年間で約740万〜770万円ほどに増加する傾向があります。
3. 高年収でも「貯金ゼロ」はいる。年収1000万~1200万円の人の貯蓄状況をのぞいてみる!
高い収入を得ていれば資産形成も容易であると推測されがちですが、統計上は必ずしもそうとは言い切れない側面があります。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」から、年収1000万〜1200万円未満の世帯の貯蓄状況(金融資産の保有状況)を確認します。
※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
3.1 【単身世帯】
この年収帯の単身世帯では、将来に向けた備えや運用資産を持っていない世帯が一定数存在します。調査結果(年収1000万〜1200万円未満)の金融資産保有額の内訳は以下の通りです。
- 金融資産非保有:約22.2%
- 100万円未満:約11.1%
- 100万〜1000万円未満:約11.2%
- 1000万〜2000万円未満:約27.8%
- 2000万〜3000万円未満:約5.6%
- 3000万円以上:約22.2%
- 無回答:0%
- 金融資産保有額の平均額:2261万円/中央値1100万円
単身世帯では「非保有」と「100万円未満」を合わせると約3割に達しており、高所得であっても流動資産が極めて少ない層が存在することが数字から見て取れます。
3.2 【二人以上世帯】
二人以上世帯においても、依然として一定数が貯蓄ゼロ、あるいは低水準の状態にあります。同調査(年収1000万〜1200万円未満)の内訳は以下の通りです。
- 金融資産非保有:約6.8%
- 100万円未満:約2.2%
- 100万〜1000万円未満:約23.6%
- 1000万〜2000万円未満:約23.5%
- 2000万〜3000万円未満:約12.4%
- 3000万円以上:約29.4%
- 無回答:約2.2%
- 金融資産保有額の平均額:2725万円/中央値1520万円
二人以上世帯では、3000万円以上の資産を持つ層が約2割存在する一方で、100万円に満たない世帯も約9%存在します。


