春の足音が聞こえ、新年度の足音が近づく3月。昇給や転職で「年収1000万円」の大台を目標に掲げる方もいるのではないでしょうか。しかし、物価高が家計を直撃する昨今、額面通りのゆとりを感じるのは難しくなっています。

今回は最新の調査結果をもとに、選ばれし高年収層の「実際の手取り額」や、意外にも「貯蓄が100万円に満たない」世帯が一定数存在するリアルな台所事情を、J-FLECの最新データから解説します。

1. 高年収層はどの業種に多い?「平均給与500万円超」の主な顔ぶれ

具体的にどのような業種で平均給与が高い傾向にあるのでしょうか。「令和6年分 民間給与実態統計調査(2025年公表)」の業種別データ(令和6年分)から、平均給与が500万円を超えている主な業種を抽出しました。

【平均給与が500万円を超える主な業種】

  • 電気・ガス・熱供給・水道業:約832万円
  • 金融業・保険業:約695万円
  • 情報通信業:約680万円
  • 製造業:約568万円
  • 建設業:約565万円
  • 学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業:約549万円

最も平均給与が高いのは、インフラを支える「電気・ガス・熱供給・水道業」です。次いで「金融業・保険業」「情報通信業」が続いています。

これらの業種では、給与階級別の分布を見ても「年収800万円超」が占める割合が他業種より高く(例:電気・ガス業では44.2%)、給与体系そのものが高めに設定されていることが推察されます。自身のスキルをどのフィールドで活かすかという視点において、こうした業種ごとの構造を知っておくことは有益と言えるでしょう。

※統計データ利用上の注意

「令和6年分 民間給与実態統計調査(2025年公表)」は「事業所が支払った給与」を元に集計されています。複数の事業所から給与を得ている個人は「複数の給与所得者」として重複カウントされる場合があるほか、株式配当や不動産所得といった「給与以外の所得」は含まれていません。あくまで「民間企業から支払われた給与」の実態を示す数値である点にご留意ください。