2. 給付付き税額控除は「会社員・年金世帯」の手取りにどう影響する?
前章では、給付付き税額控除の仕組みを具体例を交えて確認しましたが、この制度が導入された場合、会社員や年金生活世帯の手取りにはどのような影響があるのでしょうか。
会社員の場合、所得税を納めている人であれば、税額控除によって税負担が軽減され、その分だけ手元に残るお金が増えることになります。
控除額が納税額の範囲内であれば、減税という形で家計の負担が軽減される仕組みです。
一方、所得税の納税額が少ない人や非課税世帯では、控除しきれなかった分が現金給付として支給されます。
これにより、これまで減税の効果を受けにくかった人でも支援を受けられる可能性があります。
また、年金を主な収入としている世帯では、所得が一定水準以下となり住民税が非課税となるケースもあります。
この場合、税額控除ではなく現金給付という形で支援が行われる可能性もあるでしょう。
このように、給付付き税額控除は減税と給付を組み合わせることで、会社員から年金生活世帯まで幅広い層の手取りを支える仕組みとされています。
このように、所得に応じて「減税」と「現金給付」がシームレスに切り替わるのが新制度の最大の特徴です。では、なぜこれまでの「現金の一律給付」ではなく、あえてこの複雑な仕組みが検討されているのでしょうか。
著者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
ファイナンシャルアドバイザー。秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)