3月も下旬に差し掛かり、桜の開花が待ち遠しい季節となりました。新年度に向けて、新NISAを活用した資産形成を本格的に検討し始める方も多いのではないでしょうか。つみたて投資枠や成長投資枠において、特に高い人気を誇るのがオルカンこと全世界株式とS&P500です。
どちらも低コストで運用できるインデックス型ファンドですが、投資対象やリスクの取り方には違いがあります。
今回は、オルカンとS&P500の特徴や過去の運用実績を比較し、長期投資のシミュレーションを交えながら違いを紹介します。
1. 「オルカン」と「S&P500」とは?
まずは、それぞれの特徴を整理していきましょう。
1.1 オルカンとは
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)での連動を目指す投資信託です。
日本・米国・欧州・新興国など、世界中の株式に幅広く分散投資するのが最大の特徴です。
1本で「世界経済全体」に投資できる設計になっており、特定の国に依存しにくい構造です。
ただし、「全世界」といっても、構成比率は時価総額ベースです。
現在は米国企業の比率が6割超と高く、実質的には「米国比率の高い世界分散ファンド」といえる側面もあります。
それでも米国一国に集中しているわけではなく、世界全体に分散されている点が特徴です。
1.2 S&P500とは
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(配当込・円換算ベース)に連動することを目指すファンドです。
S&P500は、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、米国を代表する約500社で構成されています。
世界経済をけん引する米国企業に集中投資するため、米国の成長をダイレクトに取り込める点が魅力です。
一方で、投資対象は米国のみのため、米国経済が停滞した場合の影響が大きくなります。
リターンの高さと引き換えに価格変動リスクも高めです。