5. まだある「落とし穴」?注視すべき海外リスク

ポジティブな要素が並び「今すぐ買った方がいいのでは?」と思いがちですが、泉田氏は「まだ落とし穴(リスク)はある」と警鐘を鳴らします。

1つ目は、「のれん(買収に伴うブランド価値などの資産)」の減損リスクです。

アメリカ事業ののれんは今回の決算で約500億円分を減損し「膿を出し切った」状態ですが、欧州事業(133億円)や中国・トラベルリテール事業(201億円)にはまだのれんが残っており、今後の市況悪化次第では再び損失を計上するリスクがあると指摘しています。

2つ目は、過去に売却したブランド(ベアミネラル等)に関する「長期貸付金(セラーノート)」です。

売却先への478億円の貸付金が残っており、相手先の業績が条件を満たさない場合、返済が後回しになったり回収しきれなくなったりするリスクが残存していると解説しています。

資生堂の決算短信を解説する泉田氏4/5

資生堂の決算短信を解説する泉田氏

出所:各資料をもとにイズミダイズム作成

【動画で解説】資生堂、なぜ「真っ赤っか」の決算で株価が15%も上がったのか?

6. まとめ:数字を信じつつも進捗のチェックを!

今回の動画のまとめとして泉田氏は、「事前の予想を上回って着地したこと、来期の増収黒字転換・増配予想が出たことは間違いなくポジティブである」としつつも、「両手を挙げて安心できるわけではない」と語ります。

グローバル企業である資生堂が、会社が発表した計画通りに海外事業を立て直せるのか。

今後の決算発表ごとにその進捗をしっかりとチェックしていくことが、投資判断において非常に重要だと結論づけています。

7. イズミダイズムとは

イズミダイズムは、元機関投資家である泉田良輔の個人YouTubeチャンネルです。プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。

新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。

教科書的な知識だけでなく、プロの実体験に基づいた分析を通じて、ビジネスパーソンや個人投資家に役立てていただけるコンテンツをお届けしています。

元機関投資家 泉田良輔のシテンで語る金融と経済の今5/5

出所:Youtubeチャンネル「イズミダイズム」

参考資料