「もしかして、うちの貯金って少ないのかも」と焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、総務省統計局の「家計調査」から家計の黒字の状況をみてみましょう。

総務省が定義している「家計の黒字」「黒字率」は以下の通りです

(家計の)黒字=可処分所得-消費支出
黒字率=黒字/可処分所得続きを読む

続いて、2018年の2人以上かつ勤労者世帯の1カ月あたりの家計収支をチェックしてみましょう。

・実収入:55万8718円(うち、勤め先収入が51万2604円)
・消費支出:31万5314円(食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保険医療、交通・通信、教育、教育娯楽などを含む)
・非消費支出:10万3593円(税金や社会保険料など原則として世帯の自由にならない支出)

これらの数字から、黒字・黒字率を求めていきます。

可処分所得(手取り収入)=実収入-非消費支出=45万5125円
黒字=可処分所得-消費支出=13万9811円
黒字率=黒字/可処分所得=13万9811円÷45万5125円=約30.7%

ご覧のように、2人以上かつ勤労世帯は「毎月の手取り収入の約30 .7%が黒字である」と分かりました。この黒字の部分が貯蓄などに充てられるといえるでしょう。

なお、黒字の内訳は以下の通りです。

預貯金純増:10万2605円
保険純増:1万8530円
有価証券純購入:1830円
土地家屋借金純増:3万4589円
財産純増:5890円

つまり、1カ月に10万円以上の預貯金をしていると判断できます。ご自身の家計状況を見直し貯蓄のペースを比較してみましょう。

まとめ

お金を使う行為すべてが無駄なこと、というわけではありません。節約のためにした努力が、かえってあなたの品格や可能性に悪影響を与えることもあります。節約に取り組む際は、「これによってどのような影響が出るか」を考える癖をつけておきましょう。

【参考】

家計調査報告[家計収支編]2018年(平成30年)平均結果の概要」総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部