「投資なんてギャンブルだから、いかがわしい」と眉をひそめる人がいる一方で、投資の入門書を読むと、大体「きちんと勉強して、長期的なスタンスで取り組めば、投資はギャンブルではありません」などと書いてあります。私はこれは、どちらも間違えていると思います。
投機と投資
投機とは「短期的な価格変動の目論見から、利ざやを得ようとする行為」と定義されており、一般的なギャンブル(バクチ)のイメージとぴったり一致します。
特に、バイナリーオプションやFXなどで根拠もなく直感的に取引している一部の人は、丁半博打をしているのと一緒と言われても仕方ないでしょう。
ただ、「長期的、理論的」に投資を行えばそれはギャンブルではないのでしょうか。私は、どんな方法を取ったとしても、投資とは本質的にギャンブルだと考えています。
株価や金利、為替の動きが正確に予測できない(しても当たらない)以上、その値動きにベットする行為は全て、ギャンブルでしかあり得ません。
短期の投資と長期の投資
「長期投資は安全である。過去20年間、インデックスに投資し続けていたとしたら何パーセント儲かっていたことになる」などと喧伝する人達がいます。一見正しいように見えますが、これも間違っています。
バブルの絶頂期に投資を開始してしまえば、その後の期間は20年であろうが30年であろうが負けてしまいます。
100年くらい持ち続ければいつかはまた大バブルが発生して、勝つこともあるかもしれませんが、ケインズが言うように「長期的には、我々はみんな死んでいる」んです。