厳しい寒さが和らぎ、春の訪れが待たれる2月となりました。今月は2026年最初の年金支給日を迎えます。物価の変動が続くなか、老後の生活を支える公的年金の受給額に関心を持つ方も多いのではないでしょうか。

日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)を1階部分、厚生年金を2階部分とする「2階建て構造」が特徴です。現役時代の働き方によって、将来受け取る年金額は大きく変わります。

この記事では、現在のシニア世代が実際に受け取っている年金額について、厚生労働省のデータを基に加入履歴や男女別の5つのパターンを分析し、平均的な受給水準を詳しく解説します。

1. 2025年度の国民年金は1.9%増額!満額で月額6万9308円に

2025年度の公的年金額は、前年度と比較して1.9%の増額改定となりました。この改定率は、6月に支給される4月・5月分の年金から反映されています。

1.1 【2025年度】国民年金と厚生年金の受給額モデルケース

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(前年度比+1300円)です。
※厚生年金は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で平均標準報酬45万5000円)の男性が40年間就業した場合に受給開始となる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

厚生労働省は年金額改定の発表と同時に、現役時代の働き方や収入に応じた年金額のモデルケースを「多様なライフコースに応じた年金額」として公開しました。

2. 厚生年金の受給額はいくら?平均年収610万円で40年勤務した男性のケース

年金の加入期間や現役時代の収入によって、受給額はどのように変動するのでしょうか。

厚生労働省は、2025年度の年金額改定に合わせて、現役時代の年金加入状況や年収ごとの受給額例を「多様なライフコースに応じた年金額」として公表しています。

この資料では、「2025年度に65歳になる方」を対象とした年金額の概算が、公的年金の加入履歴と性別で分類された合計5つのパターンで示されています。

2.1 【パターン1】厚生年金加入が中心の男性の場合

年金月額:17万3457円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円※賞与を含む月額換算。以下同様。
  • 基礎年金:6万8671円
  • 厚生年金:10万4786円

パターン①は、現役時代の大半を会社員として勤務し、厚生年金の加入期間が長い男性の事例です。月額平均収入50万9000円(年収換算で約610万円)という安定した収入を基に、基礎年金に厚生年金が加算され、月々の年金受給額は17万円台に達します。

2.2 【パターン2】国民年金(第1号被保険者)加入が中心の男性の場合

年金月額:6万2344円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8008円
  • 厚生年金:1万4335円

2.3 【パターン3】厚生年金加入が中心の女性の場合

年金月額:13万2117円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万566円
  • 厚生年金:6万1551円

2.4 【パターン4】国民年金(第1号被保険者)加入が中心の女性の場合

年金月額:6万636円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万2151円
  • 厚生年金:8485円

2.5 【パターン5】国民年金(第3号被保険者)加入が中心の女性の場合

年金月額:7万6810円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万7754円
  • 厚生年金:9056円

上記はあくまで一例ですが、厚生年金への加入期間が長く、現役時代の収入が高いほど、老後に受け取る年金額も多くなる傾向にあることがわかります。

また、国民年金と厚生年金のどちらを主として加入していたかが、将来の年金水準に大きく影響していることも見て取れます。

3. 【年齢別】厚生年金と国民年金の平均受給月額は?60歳代から90歳代以上の実態

老後に受け取る年金額は、現役時代の加入状況によって一人ひとり異なります。ここでは、60歳から90歳以上の全受給権者を対象に、厚生年金と国民年金の受給額分布を確認していきましょう。

厚生年金平均月額4/6

厚生年金平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金平均月額5/6

国民年金平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金の平均月額に見る男女差と個人差の実態

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は、全体で15万289円でした。男女別の内訳は以下の通りです。

  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金部分を含みます。

年金月額階級ごとの受給者数

  • ~1万円:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

厚生年金の平均受給月額は全体で15万円台ですが、男女間での差は大きく、男性が16万円台であるのに対し、女性は11万円台となっています。

また、受給額は月額1万円未満の方から25万円を超える方まで幅広く分布しており、個人差が大きいことがうかがえます。

3.2 国民年金の平均月額に見る男女差と個人差の実態

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均年金月額は、全体で5万9310円でした。男女別の詳細は以下の通りです。

  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

年金月額階級ごとの受給者数

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均受給月額は男女ともに5万円台で、最も多い層は「6万円以上~7万円未満」となっています。

多くの方が満額に近い年金を受け取っている一方で、月額1万円に満たない方も一定数いるのが現状です。

4. まとめ

今回は、現在のシニア世代が受け取る年金について、公的年金の加入履歴や性別で分類した「5つのパターン」と、全体の平均的な受給水準をみてきました。

最後に、2026年の年金支給スケジュールを確認します。公的年金は、原則として偶数月の15日に、その前2カ月分がまとめて支給される仕組みです。支給日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の金融機関営業日に繰り上げて支給されます。

  • 2026年2月13日(金):2025年12月・2026年1月分
  • 2026年4月15日(水):2月・3月分
  • 2026年6月15日(月): 4月・5月分
  • 2026年8月14日(金): 6月・7月分
  • 2026年10月15日(木): 8月・9月分
  • 2026年12月15日(火): 10月・11月分

※支給日が土日・祝日の場合は、直前の平日に前倒しされます。

年金の平均額や支給日を事前に把握しておき、今後の生活設計や資金計画を立てる上での参考にしましょう。

※当記事は再編集記事です。

参考資料