3. 【40歳代~50歳代】教育費という“大きな固定費”

前章で現役世代の貯蓄が重要だとわかりましたが、40歳代・50歳代の世帯には避けられない支出もあります。

その特徴的な支出の一つが、子どもの教育関連費です。進学段階が上がるにつれて費用は増え、受験対策や塾、習い事などが重なると、支出は想定以上に膨らみます。

以下は、世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たりの年間教育関係費です。

世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の教育関係費(二人以上の世帯)4/5

世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の教育関係費(二人以上の世帯)

出所:総務省統計局「家計調査」第3章 年齢階級別に見た暮らしの特徴

  • 40歳代:45万6432円
  • 50歳代:53万6251円

平均値で見ても、年間50万円前後が教育関連費に充てられていることが分かります。月額に換算すると4万円前後となり、家計の中で無視できない存在です。

この年代の特徴は、教育費が“変動費”でありながら、実質的には固定費のように家計を占めてしまう点にあります。進学や在学期間が続く限り、優先順位は自然と最上位に置かれ、他の資金計画は後回しになりがちです。

とくに老後資金は、「今すぐ必要なお金ではない」という理由から、教育費の陰に隠れてしまいます。しかし、40代・50代は多くの世帯にとって収入水準が高まりやすい時期でもあります。この時期に老後資金の積み立てを始められるかどうかが、その後の準備期間の長さを左右します。

教育費の負担が落ち着いたとき、老後資金が十分に積み上がっていなければ、準備できる時間は想像以上に限られます。教育費はやがて終わりますが、老後資金の不足は自然には解消しません。

教育費の実態を把握することは、単に家計を管理するためだけではなく、家計全体の配分を見直すきっかけにもなります。子どもの将来と同時に、自分たちの老後生活をどう支えていくか。その両立を意識することが、この年代に求められる視点と言えるでしょう。