株式市場の振り返り―日欧の追加金融緩和期待から大幅反騰に

2016年2月8日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比+1.1%上昇、TOPIXが+0.8%上昇しました。

前週末のニューヨーク株式市場が急落し、東京市場も下げて始まりましたが、じりじり円が売られると株式市場も値を戻し、前場は前日比ほぼ横ばいで終わりました。後場に入っても為替・株式ともじり高で推移し、日経平均は17,000円台を回復して引けました。日経平均株価の日中における値幅(高値と安値の差)は約547円となり、比較的ボラティリティが大きかったと言えます。なお、東証1部売買代金は約2.6兆円となり前日比約▲10%減でした。

セクター動向と主要銘柄の動き―電気機器、銀行業、輸送用機器は横ばい

東証33業種別では、24業種が上昇、9業種が下落しました。上昇率が大きかったのは、パルプ・紙+2.5%上昇、建設業+2.4%上昇、情報・通信業+2.1%上昇でした。一方、下落率が大きかった3業種は、ガラス・土石製品▲3.0%下落、非鉄金属▲3.0%下落、証券・商品先物取引業 ▲1.8%下落でした。興味深いことに、電気機器、銀行業、輸送用機器といった主力業種はほぼ横ばいでした。

日経平均の値上り上位はディー・エヌ・エー(2432)、東洋製罐グループ(5901)、協和発酵キリン(4151)です。一方、値下がりした銘柄はDOWAホールディングス(5714)、旭硝子(5201)、住友金属鉱山(5713)でした。

先週末の決算が発表されその動向が注目されていたトヨタ自動車(7203)は、一時▲4.5%下落して年初来安値を更新しましたが、引けにかけてやや戻した結果、終値は▲1.1%の下げでした。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―フィンテック、FinTech、Finance X Technology

騰落の大きい銘柄を見ると超大型株ではない銘柄のなかから、決算をみて収益期待のもてるものを物色しようという傾向が見えます。その中で本日はイオン(8267)の上昇が気になりました。2月末の決算を睨み株主優待を狙う個人投資家の物色もありそうです。

また、先日、生体認証技術をもつリキッド社と提携しましたが、経済産業省と金融機関などでつくる官民協議会がIoT(モノのインターネット化)の活用に向けリキッドの訪日外国人向けの指紋認証システムへの出資を決めたことが材料になったかもしれません。

8日の終値が+17.2%上昇となったさくらインターネット(3778)など、フィンテック銘柄に引き続き物色が集まるか注目したいところです。

【2016年2月9日 投信1編集部】

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LIMO編集部