DIAMセットマネジメント株式会社 投信企画部長 原田規子

DIAMアセットマネジメント株式会社投信企画部長 原田規子氏に、2015年冬に順次リリースされる投信「たわらノーロード」シリーズの活用方法についてお伺いしました。

投資家に伝えたい3つのポイント

  • 「たわらノーロード」シリーズは国内外の株式、債券、REIT(リート)という資産形成に必須の6つの資産クラスをカバーする、業界最低水準の低コストのインデックスファンド群としてスタート(2015年12月2日時点)。

  • 投資をこれから始める方、始めて間もない方は、6つの資産を均等に積み立てるのも選択肢のうち。

  • 既に資産形成をしている方は、6つの資産クラスから投資していない資産クラスを選んで分散投資をすることが可能。

「たわらノーロード」シリーズ6本の投信を解説

――前回は、「たわらノーロード」シリーズの第一弾となる「たわらノーロード 日経225」 リスクと費用を中心に、そのコスト優位性や投信としての利便性などをお伺いしました。残り5本のインデックスファンドの概要を教えてください

DIAMアセットマネジメント株式会社 投信企画部長 原田規子氏(以下、原田):国内資産については、前回お話をした「たわらノーロード 日経225」、及び「たわらノーロード 国内債券」[リスクと費用]、「たわらノーロード 国内リート」[リスクと費用]の3本です。また海外資産については、「たわらノーロード 先進国株式」[リスクと費用]、「たわらノーロード 先進国債券」[リスクと費用]、「たわらノーロード 先進国リート」[リスクと費用]となります。

――投信の購入・売却の手数料はノーロードということでゼロでしたね。ベンチマーク、信託報酬を教えてください。

原田:国内債券のベンチマークはNOMURA-BPI総合で、信託報酬は年率0.15%です。国内リートのベンチマークは東証REIT指数(配当込み)で、信託報酬は年率0.30%です。先進国株式のベンチマークはMSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)で、信託報酬が年率0.225%、先進国債券のベンチマークはシティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース、為替ヘッジなし)で、信託報酬が年率0.200%、先進国リートのベンチマークはS&P先進国REITインデックス(除く日本、円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)で、信託報酬が年率0.350%になります。これらも日本の年金などで採用される標準的なベンチマークです。なお、いずれも為替ヘッジがありませんので、円安になるほど円ベースのリターンへの貢献が期待されます。

――確認ですが、6本全て購入・換金手数料なし、信託報酬は各カテゴリーで業界内最低水準なのですか。

原田:その通りです。

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出所:会社資料をもとに投信1編集部作成、業界平均はDIAM調べ

「たわらノーロード」シリーズ活用法のカギは自由な組み合わせ

――バランス型ファンドは国内外の資産のインデックスファンドへ分散しています。「たわらノーロード」シリーズはバランス型ファンドとどう違うのでしょうか。また、個人投資家は「たわらノーロード」シリーズをどのように活用すればよいのでしょうか。

原田:バランス型ファンドは複数の資産クラスを組み合わせて運用していますが、資産の組み合わせや構成変更が運用会社にゆだねられています。いわば、「添乗員付きのパッケージ旅行」のようなものです。「添乗員付きのパッケージ旅行」では、以前に行ったことのある場所も皆で一緒に行動して観光しなければならないように、バランス型ファンドは投資家ごとのニーズに合わせた資産クラスの組み合わせになっているとは限りません。一方、「たわらノーロード」シリーズでは、個人投資家の方が自分の資産内容やライフステージに合わせて自由にインデックスファンドを組み合わせていただけます。いわば「自由旅行」のように自分のニーズに合わせた資産運用が可能となります。

――6つのファンドで十分なのでしょうか。

原田:今回「たわらノーロード」シリーズで展開する国内株式(日経225)、国内債券、国内リート、先進国株式、先進国債券、先進国リート(海外投資分はいずれも為替ヘッジなし)の6本があれば、一般的な個人投資家の方が、網羅的に内外の分散投資を行うことが可能だと考えます。ご負担いただくコストも最小限に抑えてありますので、あとはお一人お一人がニーズに合わせて6本を組み合わせていただければと思います。自分にとって最適なバランス運用が可能ということですね。

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DIAMアセットマネジメント株式会社 投信企画部長 原田規子

【たわらノーロード活用法(その1)】6資産均等投資―投資経験のない・少ない投資家向き

―― 「たわらノーロード」シリーズで6資産を自由に組み合わせることができるとはいえ、自分で資産配分をするとなると難しさを感じる個人投資家もいるのではないでしょうか。どの資産をどの程度保有するかを決めかねている方は、たとえば、「たわらノーロード」シリーズの6資産すべて均等に投資をするというのはいかがでしょうか。

原田:投資をこれから始めるという方にお勧めできる方法の1つです。こうした投資家の方には、6つの資産クラスへの分散をしっかりしていただき、リスクを抑えながらリターンをしっかり狙っていただきたいと思います。また、少額ずつで結構ですので、積立をして投資のタイミングを分散することをお勧めします。これは目先の相場の上げ下げに一喜一憂しないための工夫です。常に均等投資を貫くと決めれば、例えば1年経ったら、構成比の上がったものを減らして構成比の下がったものを増やし、あらためて6つの資産クラスが均等になる調整をすることも簡単です。

【たわらノーロード活用法(その2)】国内債券抜き投資―すでにバランス型ファンドをお持ちの投資家向き

――既にバランス型ファンドを保有している投資家はどうしたらよいのでしょうか。

原田:現在お持ちのバランス型ファンドの資産クラスの配分比率をご覧になって、ご自身のニーズと照らし合わせていただきたいと思います。そして「たわらノーロード」シリーズの6本の中から必要な資産クラスを選んで補充していただきたいです。

――一般的なバランス型ファンドの資産構成を見ると、国内債券の比率が高いケースもあるようです。国内債券が安定運用にとって必要な選択肢であることは理解できるのですが、将来十分なリターンが出るのかどうか疑問も持つこともあります。国内債券を除いて、それ以外の5資産でポートフォリオを組むことはいかがでしょうか。

原田:それは検討に値する方法です。確かに日本国債を始めとする国内債券の利回りは歴史的に見てかなり低水準です。将来のインフレに備えるためには今の利回りが不十分とお考えの方もいらっしゃることでしょう。一定のリスクを取る準備ができているのであれば、国内株式、国内リート、先進国株式、先進国債券、先進国リートの5つの資産クラスに絞って投資するというのは理にかなうと思います。

【たわらノーロード活用法(その3)】国内・先進国債券抜き投資―リスクを取って長期資産形成を考える投資家向き

――債券の利回りは国内だけでなく、先進国全体で歴史的に低い水準にあるので、国内株式・国内リート・先進国株式・先進国リートの4つの資産クラスへ分散投資するという考え方はいかがですか。

原田:先ほどの国内債券抜きの方法をさらに一歩進めて積極的に長期投資する考え方になりますね。十分あり、と考えます。

【たわらノーロード活用法(その4)】全部海外資産投資―国内資産はもう十分という投資家向き

――国内株式を中心に投資しており、また、国内債券の利回りの低さに満足していないような投資家はどうしたらよいでしょうか。投資家の保有する資産全体の分散効果を上げるために、「たわらノーロード」の先進国株式、先進国債券、先進国リートで海外資産中心のバランス型ファンドを作ってみるというのはいかがでしょうか。

原田:国内資産にはすでに十分に投資をしているという投資家も多いと思います。そういった投資家であれば、追加的に投資可能な資金は海外資産に集中させるという選択肢は意味がありますね。

――海外資産もどのように資産配分したらよいか分からないので、分散投資の手始めとして「たわらノーロード」の海外資産の3資産を均等投資してみるというのはいかがでしょうか。

原田:そうですね。一定時間が経過したのちに資産構成の比率が上がったものを減らし、比率の下がったものを増やす作業をすれば管理はしやすいですね。

「たわらノーロード」を使って自分の資産構成に最適なポートフォリオを構成する

――「たわらノーロード」シリーズは、一人一人のニーズに応じていろいろな使い方ができますね。

原田:はい。「たわらノーロード」シリーズは、内外への分散投資に重要な6つの分かりやすいインデックスファンドを低コストで提供しています。投資が初めての方、投資経験の少ない方から、投資のベテランまで柔軟にご利用いただける投信です。これを機会に国際的な分散投資を低コストで進めて、お一人お一人の「俵」が増えていくことを楽しみにしています。そのために努力していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

――本日は長時間ありがとうございました。

原田:こちらこそありがとうございました。

※本インタビューは、楽天証券株式会社との共同インタビューとなります。

Longine編集部