3. ファンドラップで後悔する人と満足する人の違い

実際の金融機関の現場では、ファンドラップを契約して満足される方がいる一方で、短期間で解約に至る方も少なくありません。両者の間には、コストに対する考え方や、資産運用に求める「付加価値」に明確な違いがあります。

3.1 ファンドラップが向いていない「後悔する人」の特徴

「少しでも高いリターンを狙いたい」「自分で投資情報を集めることに抵抗がない」というタイプの方には、ファンドラップはあまり向いていないかもしれません。

近年では、YouTubeやSNSなどで質の高い運用情報が手軽に入手できます。こうした情報を活用し、新NISAの非課税枠を使って低コストな投資信託を自分で選べる方にとって、年率1.5%以上の手数料は「不要なコスト」と感じられるでしょう。

また、「プロに任せるのだから絶対に儲かるはず」といった過度な期待を抱いている場合も、ファンドラップは避けたほうが賢明です。コストが負担となり、期待していた成果との間にギャップが生まれ、結果的に後悔につながりやすくなります。

3.2 ファンドラップが向いている「満足する人」の特徴

その一方で、「資産管理の手間や精神的な負担を軽くしたい」と考える方にとって、ファンドラップは有力な選択肢となり得ます。

  • 運用の手間を最小限にしたい方:数多くの銘柄から投資先を選び、市場の動向に応じて資産配分を調整する(リバランス)といった一連の作業を、すべて専門家に任せたいと考えている方。
  • 相場下落時の「相談相手」が欲しい方:市場が急落した際に、パニックに陥って資産を売却(狼狽売り)してしまうことを避け、専門家の客観的なアドバイスによって冷静な判断を保ちたい方。
  • 認知症への備えや相続を考えている方:将来的な判断能力の低下に備えて運用を自動化したい、あるいは特約を付帯させることで円滑な資産承継を実現したいと考えている方。

ファンドラップの手数料には、こうした「安心感」や「事務手続きの代行」といったサービスへの対価が含まれていると考えることもできます。

4. まとめ:ファンドラップはコストと手間を天秤にかけて判断を

ファンドラップは、すべての人におすすめできる金融商品ではありません。しかし、インターネット上の情報だけを鵜呑みにして「手数料が高いから良くない」と決めつけてしまうのも、極端な判断といえるでしょう。

最も大切なのは、ご自身が資産運用に対して「何を最も重視しているか」を明確にすることです。

「ある程度のコストを支払ってでも、専門家にメンテナンスを任せて精神的な安定を得たい」と考える方にとって、ファンドラップは検討に値する選択肢の一つです。反対に、リターンをできるだけ最大化したいのであれば、手間をかけてでも自分で低コストな商品を選ぶ方が合理的な判断といえます。

資産運用の選択肢は年々多様化しています。ご自身のライフプランやリスク許容度と照らし合わせながら、納得のいく方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

【投資に関するご注意】 本記事は、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資には元本を割り込むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行われるようお願いいたします。

※当記事は再編集記事です。

参考資料