2. ファンドラップの手数料はなぜ高い?コストの「二重構造」に注意
ファンドラップを検討するうえで最大の懸念点となりやすいのが、投資家が支払うコストです。このコストは「サービス利用料」と「商品そのものの費用」という二階建て(二重構造)になっている点を理解しておく必要があります。
- 目に見えるコスト(投資顧問料・管理手数料):資産配分の決定やリバランスといった運用サービスに対する「コンサルティング料」として、金融機関へ直接支払う費用です。
- 隠れたコスト(投資対象の信託報酬):実際に運用対象となる「投資信託」の内部で発生する費用を指します。この費用は運用資産から日々自動的に差し引かれるため、運用報告書などを注意深く確認しないと気づきにくい実質的な負担となります。
これら二種類のコストが重なることで、たとえ運用成績がプラスになったとしても、手元に残る利益が想定より少なくなる可能性があります。
2.1 運用コストの比較:ファンドラップと新NISA(インデックス運用)
具体的に、対面で契約するファンドラップと、ネット証券などを利用して新NISAでインデックス運用を行う場合のコストを比べてみましょう。
※記載の数値は一般的な目安であり、契約する金融機関や商品によって異なります。
投資顧問料・管理手数料について
- ファンドラップ(対面):年率1.0%~1.5%程度
- 新NISA(インデックス運用):なし
投資対象の信託報酬について
- ファンドラップ(対面):年率0.2%~0.5%程度
- 新NISA(インデックス運用):年率0.1%程度
年間の合計コスト
- ファンドラップ(対面):約1.2%~2.0%
- 新NISA(インデックス運用):約0.1%前後
1000万円を運用した場合の年間コスト
- ファンドラップ(対面):約12万~20万円
- 新NISA(インデックス運用):約1万円
上記のように、ファンドラップの維持コストは、自身で運用する場合と比較して10倍から20倍に達するケースも考えられます。
ファンドラップで資産を増やすには、少なくとも年間で1.5%以上のリターンを確保しなければ、自分でインデックス投資を行う場合のスタートラインに立つことすら難しいといえるでしょう。
「このコストを支払ってでも、専門家との対面相談や運用の手間を省くことに価値を感じるか」という点が、契約を判断するうえでの重要な基準となります。
