YouTubeチャンネル『イズミダイズム』にて、元機関投資家で専門家の泉田良輔氏が、株式会社サイゼリヤの最新決算(2026年8月期 第1四半期)を題材に、同社の強みや株式投資における重要な視点について解説しました。

直近の業績が非常に好調であると注目を集めるサイゼリヤ。

本記事では、動画内で泉田氏が展開した理論や注目ポイントをご紹介します。

1. インフレ下で一人勝ち?驚異の客数増と「800円台」の客単価

泉田氏はまず、サイゼリヤの直近の業績が非常に好調であることを紹介しました。

2026年8月期第1四半期の売上高は702億円(前年同期比約15%増)、営業利益は46億円(同19%増)と大幅な増収増益を達成しています。

泉田氏が外食産業の分析において特に重視すべき点として挙げたのが「国内の既存店状況」です。

売上を構成する「客数」と「客単価」について、泉田氏は次のように指摘しています。

現在の国内の客単価は853円であり、5年前(2022年第1四半期)の753円から100円程度しか上がっていません。

物価高で様々なモノの値段が上がる中、サイゼリヤはコアメニューの低価格路線を維持しており、その結果として第1四半期の累計客数が2900万人(2022年)から5500万人(2026年)へと激増していると泉田氏は分析しています。

サイゼリヤ、驚きの収益構造を動画で解説

同氏はサイゼリヤを「インフレ時代の国民の食堂」と表現し、厳しい経済環境下において顧客を惹きつける力がより増している点を強調しました。

サイゼリヤの決算短信を解説する泉田氏1/4

サイゼリヤの決算短信を解説する泉田氏

出所:各資料をもとにイズミダイズム作成

2. 意外な真実!サイゼリヤは「海外」で稼いでいる

客単価をほぼ据え置きながら客数を増やす戦略で、利益は出ているのでしょうか。

泉田氏は「セグメント別(地域別)の業績」に焦点を当て、驚きの収益構造を解説しました。

泉田氏によると、サイゼリヤは「日本国内ではなく、海外(主にアジア)で稼ぐモデル」になっているとのことです。

第1四半期の国内売上高は約469億円であるのに対し、営業利益は約14億円にとどまります。

一方で、海外(アジア店舗)の売上高は約232億円と国内の半分程度であるにもかかわらず、営業利益は約30億円と国内の倍以上の利益を叩き出しています。

日本国内では長引くデフレのイメージもあり値上げが難しかった背景があるものの、海外店舗が高い利益率を確保しているため、国内での低価格路線が維持できていると泉田氏はその裏側を説明しています。

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サイゼリヤの決算短信を解説する泉田氏

出所:各資料をもとにイズミダイズム作成

サイゼリヤ、驚きの収益構造を動画で解説

3. 株価はどう動く?初心者が知るべき「コンセンサス」の重要性

動画の終盤では、株式投資初心者に向けて、サイゼリヤの決算を例にした「株価の動き方」の極意が語られました。

泉田氏は「株価は期待値でできている」と語ります。

この期待値の指標となるのが、市場のアナリストたちの予想を平均した「コンセンサス(今回はIFISコンセンサス」です。

今回、第1四半期の経常利益実績は約47億3500万円でしたが、事前のコンセンサス予想は約42億9500万円でした。

このように市場の期待(コンセンサス)を上回る実績を出したため、決算発表後に同社の株価は上昇したと泉田氏は解説しています。

しかし、今後の見通しについては注意が必要であると同氏は警鐘を鳴らします。会社が発表している通期の経常利益予想が187億円であるのに対し、現在のコンセンサス予想は192億5000万円と、市場の期待値が会社予想を上回っている状態です。

泉田氏は「会社の計画を達成したからといって安心できるわけではなく、市場の期待値(コンセンサス)をどれだけ上振れるかを判断して投資しなければならない」と、株式投資におけるシビアな視点を紹介しました。

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サイゼリヤの決算短信を解説する泉田氏

出所:各資料をもとにイズミダイズム作成

4. おわりに:国民の食堂がまだない県とは?

泉田氏は、サイゼリヤがインフレ下において見事な経営戦略で業績を伸ばしつつも、投資対象としては「市場の期待値」との戦いになるという点を分かりやすく紐解きました。

ちなみに動画内での余談として、全国に展開するサイゼリヤですが、物流コストなどの関係からまだ出店していない県が「高知県、長崎県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県」の5県あるという豆知識も披露されていました。

株式投資に興味がある方は、日頃利用している身近な店舗の業績と、市場の期待値(コンセンサス)とのズレに注目してみてはいかがでしょうか。

サイゼリヤ、驚きの収益構造を動画で解説

5. イズミダイズムとは

イズミダイズムは、元機関投資家である泉田良輔の個人YouTubeチャンネルです。プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。

新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。

教科書的な知識だけでなく、プロの実体験に基づいた分析を通じて、ビジネスパーソンや個人投資家に役立てていただけるコンテンツをお届けしています。

元機関投資家 泉田良輔のシテンで語る金融と経済の今4/4

元機関投資家 泉田良輔のシテンで語る金融と経済の今

出所:Youtubeチャンネル「イズミダイズム」

参考資料