• 骨盤位での分娩(逆子のまま経膣分娩すること/筆者注)は、頭から生まれてくるお産よりもトラブルが多く、赤ちゃんに障害が残ったり死亡したりする危険性が高くなることがわかっており、現在はほとんど行われなくなっています。その場合、帝王切開術を選択することになりますが、手術のリスク、麻酔のリスクなどお母さんの身体への負担が大きくなるとともに、次回以降の妊娠出産にも大きな影響が出てしまいます。なので、骨盤位だが帝王切開をしたくないという方は骨盤位外回転術を選択することになります。
  • 実施する時期は、万が一、緊急帝王切開になって産まれることになっても大丈夫なように、妊娠36週頃になります。成功率は、条件によって違いますが(赤ちゃんの向き、羊水の量、胎盤の位置など)、当院のデータでは80%程度です。
  • 骨盤位外回転術が成功してもしなくても、処置の前後は十分に赤ちゃんとお母さんを観察する必要があるため、少なくとも1泊の入院が必要です。
  • 骨盤位外回転術は、絶対安全というわけではありません。お腹の外から赤ちゃんの向きを変えるわけですから、赤ちゃんの心拍数に異常が起きたり、胎盤の一部がはがれてしまうことがあり、約1%の確率で、緊急に帝王切開が必要になってしまう場合があります。医師より十分な説明を受け、ご家族の皆さんとよく相談の上、実施するかどうかを決めてください。また、リスクが高く骨盤位外回転術が実施できない患者さんもいます。

松田母子クリニック 産科紹介ページより引用


結果、医師が説明する内容と態度から、私は「信頼できる」とみました。自分が担当医を心から信頼できるかが、外回転術を受ける決め手となると思います。

「失敗したら帝王切開、やらなくても帝王切開」だったら……

担当の医師はあくまで具体的に、しかしこちらにも理解できるように丁寧に説明してくれました。

外回転術中に万が一胎児に異常が出た場合、その場ですぐに帝王切開に切り替えるとのことでした。早産を避けるため36週頃まで待ちます。帝王切開は比較的安全な手術と言われますが、お腹を開く手術ですから術後の癒着や輸血の必要性もあるかもしれません。

外回転術で万が一失敗(逆子に戻ってしまったり、胎盤が剥がれてしまったり)したら即帝王切開、でもやらなかったらいずれ必ず帝王切開。だったら、ここでなら外回転術を受けてみてもいいかな? と決断しました。今回私にしては珍しく迷いがありませんでした。もしここで迷いを感じたのであれば外回転術は受けなかったと思います。

外回転術から出産まで