1.3 高年齢求職者給付金

65歳以上で仕事を辞めた方が対象の給付金です。通常の失業手当とは異なり、毎月ではなく一時金として一括で支給されます。

受給には「離職前の1年間に雇用保険の加入期間が通算6カ月以上」「ハローワークで求職登録を行うこと」という2つの条件があります。

給付額は加入期間に応じて、基本手当日額の30日分または50日分です。離職後に自動では受け取れず、ハローワークまたは地方運輸局に離職票を提出し、求職の申し込みを行う手続きが必須となります。

離職票が届いたら速やかにハローワークへ行きましょう。「失業の状態」とは、就職したいという積極的な意思と能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態を指すため、求職活動の実績は必須です。なお、待期期間(7日間)や、自己都合退職などの場合は給付制限期間が経過した後に、指定された認定日に失業状態の確認を受けることで支給されます。

1.4 厚生年金の加給年金

厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢到達時点)で、生計を維持している対象の配偶者または子がいる場合、年金額に「加給年金」が上乗せされます。対象となる条件と加給年金額(令和7年4月から)は以下の通りです。

  • 配偶者:23万9300円
  • 1人目・2人目の子:各23万9300円
  • 3人目以降の子:各7万9800円

申請は老齢厚生年金の請求時に同時に行います。なお、配偶者自身が加入期間20年以上の老齢厚生年金や退職共済年金を受け取る権利がある場合、または障害年金を受けられる間は、配偶者の加給年金は支給停止されます。

65歳の誕生日3カ月前に請求書が送られてくるので、扶養家族の情報を記入し、必要書類を添付して提出します。

また、配偶者が65歳になると加給年金は終了しますが、配偶者自身が老齢基礎年金を受けられる場合、一定の要件(大正15年4月2日から昭和41年4月1日生まれであること等)を満たせば、配偶者自身の年金に「振替加算」が加わります。

1.5 高齢者住宅改修費用助成制度

自宅をバリアフリーにしたいシニア世帯は多くいます。介護保険には住宅改修費の一部を補助する制度があります。

生涯で利用できる上限は20万円です。要支援・要介護の区分に関わらず、誰でも同額まで使えます。対象となる工事は以下の通りです。

  • 手すりの取付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え

高齢者住宅改修費用助成制度について3/4

高齢者住宅改修費用助成制度について

出所:厚生労働省「介護保険における住宅改修」

利用時はケアマネジャーへの事前相談が必須です。業者を決めて見積もりを取った後、工事開始前に市区町村へ申請します。工事後の申請では補助が受けられないため、順序を守りましょう。

自己負担は原則1割(所得により2〜3割)です。20万円の工事なら自己負担は2万円です。また、引っ越しや要介護度が3段階以上上がった場合は、再度20万円の枠が使えます。複数箇所の工事も計画的にまとめると効率的です。

1.6 高額介護サービス費

月の介護費用が一定額を超えた場合、超過分が戻ってくる制度(高額介護サービス費)です。自己負担の上限額は所得で異なり、課税所得690万円以上の世帯は月14万100円、市民税課税世帯で課税所得380万円未満の世帯は月4万4400円、市民税非課税世帯は原則として月2万4600円が限度です。

市民税非課税世帯のうち、課税年金収入額およびその他の合計所得金額の合計額が80万9千円以下の人や、老齢福祉年金の受給者などは、個人ごとの上限額が月1万5000円まで軽減されます。

船橋市:高額介護サービス費について4/4

船橋市:高額介護サービス費について

出所:船橋市「高額介護(介護予防)サービス費について」

対象となる介護保険サービスのうち、認知症訪問支援サービス、福祉用具購入費、住宅改修費(リフォーム費)、および利用者が負担する施設の居住費・食費、日常生活費などは計算に含まれません。該当者にはサービス利用月から概ね2ヶ月後に市区町村から申請書が届きますので、見逃さないようにしましょう。

初回は申請が必要ですが、一度申請すれば次回からは自動的に振り込まれます。世帯で複数の介護利用者がいる場合は合算できるため、家族全体の利用状況を把握しておきましょう。

1.7 高額介護合算療養費制度

1年間の医療費と介護保険の自己負担を合計した額が基準を超えた場合、超過分が返金される仕組みです。75歳以上で年収約370〜770万円の世帯は年間67万円、非課税世帯は31万円が上限です。

介護が必要な方は通院も多く、医療費と介護費の両方が高額になりがちです。この制度で年間負担額を一定内に抑えられます。

該当者には通知が届きますが、自分から申請しないと受給できません。医療費と介護費の合計が高くなった際は必ず確認しましょう。

計算期間は8月から翌年7月までです。医療費・介護費の領収書は最低2年間保管しておくと安心です。また、年度途中で75歳になった方や、加入保険が変わった方は計算方法が異なるため、保険者に確認しましょう。