3. 高額な医療費の一部が戻る「高額療養費制度」の還付請求

亡くなる前に長期間入院していたり、高額な手術を受けたりした場合、1ヶ月の医療費が自己負担の上限額を超えていることがあります。

  • 内容: この制度は、支払った医療費のうち、定められた上限額を超えた分が払い戻される仕組みです。
  • 注意点: 故人が支払った医療費であっても、相続人の代表者が請求することができます。
  • 期限: 診療を受けた月の翌月から2年以内に申請が必要です。

1ヶ月あたりの医療費の自己負担限度額は、年齢が70歳以上か70歳未満かによって異なります。

高額療養費の上限額(70歳以上)2/4

高額療養費の上限額(70歳以上)

出所:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

高額療養費の上限額(70歳未満)3/4

高額療養費の上限額(70歳未満)

出所:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

2026年2月時点の制度では、70歳以上の方の場合、年収に応じて1ヶ月あたりの自己負担上限額が定められています。例えば、年収が約156万円から約370万円の一般的な年金受給世帯では、外来と入院を合わせた上限額は月額5万7600円です。この金額を超えて医療費を支払っていた場合は、還付請求を忘れないようにしましょう。

4. 故人の所得税を精算する「準確定申告」で税金の還付を

故人が会社員や年金生活者であった場合でも、医療費控除などを適用することで所得税が還付されることがあります。この手続きを「準確定申告」といいます。

  • 期限: 相続人が死亡の事実を知った日の翌日から4ヶ月以内と定められています。
  • 対象: 年間の医療費が10万円を超えていた場合や、個人事業主だった場合などが該当します。

この申告は、通常の確定申告期間(翌年2月から3月)を待たずに行えます。

もし相続税の申告が必要な場合は、準確定申告による還付金や納税額を相続財産に反映させる必要があるため、早めに手続きを進めることが大切です。