毎年発表される年金額の改定は、多くの方にとって関心の高いトピックではないでしょうか。

特に2026年度は障害年金も増額となり、基礎年金と厚生年金の両方で支給額が見直されることになりました。

2月は年金の支給月でもあり、今回の改定が自身の生活にどう影響するのか、事前に内容を把握しておきたいところです。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障が生じた場合に受け取れる公的年金制度の一つであり、私たちの生活を支える重要なセーフティネットです。

この記事では、2026年度の障害年金の改定内容や、生活を支える関連給付金について詳しく解説します。

また、最新の統計データをもとに、どのような障がいでの支給が多いのか、その実態にも迫ります。

最新の調査結果に基づき、障害年金の受給額や支給件数が多い障がいの種類について見ていきましょう。

1. 2026年度の障害年金改定額を解説。1級は約8万8000円、2級は約7万6000円に増額

障害年金は、加入している公的年金制度に応じて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」から構成される2階建ての仕組みです。

ここでは、令和8年4月分から適用される改定後の金額を確認します。

障害年金は2階建て2/6

障害年金は2階建て

出所:LIMO編集部作成

障害基礎年金の月額は、2級が7万608円、1級はその1.25倍である8万8260円です。

これに子の加算が上乗せされる場合があります。

障害厚生年金は制度の2階部分に位置づけられており、1級または2級に該当する方は、障害基礎年金と合わせて障害厚生年金も受け取れる点が大きな特徴です。

「1級は2級の1.25倍」という計算方法は、障害厚生年金の報酬比例部分にも適用されます。

さらに、配偶者がいる場合には加給年金額が加算されることもあります。

このように、1級と2級は基礎年金と厚生年金の両方を受け取れますが、障害厚生年金には独自の3級も設定されており、症状や過去の保険料納付実績に応じた手厚い保障が用意されています。

2. 障害年金に上乗せされる「障害年金生活者支援給付金」とは?支給額を解説

2026年度は、年金本体だけでなく、生活を支援するための「給付金」や各種手当も増額改定されます。

ここでは、年金受給者に上乗せで支給される障害年金生活者支援給付金の内容と、その他の関連手当の改定額について見ていきましょう。

2.1 障害年金生活者支援給付金の概要と支給対象

障害年金生活者支援給付金は、2019年の消費税率引上げに伴う影響を考慮し、特に生活への配慮が必要な方を支援するために創設された制度です。

この給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、所得が一定の基準を下回る方を対象に、通常の年金に加えて支給されます。

月額支給額の目安(障害等級別)

  • 1級:7025円(対前年度+212円)
  • 2級:5620円(対前年度+170円)

2.2 2026年度における障害者向けの各種手当・給付金の月額一覧

年金への上乗せ給付である支援給付金とは別に、それぞれ独自の目的や対象者が定められた各種手当・給付も存在します。

これらは年齢要件や年金の受給資格の有無などが異なります。

特別障害給付金(1級:5万8650円/2級:4万6920円)

この制度は、国民年金に任意で加入していなかった期間中に障がいを負い、障害年金を受け取れない方を救済するために設けられています。

年金の受給が前提となる支援給付金とは対象者が異なります。

特別児童扶養手当(1級:5万8450円/2級:3万8930円)

20歳未満で一定以上の障がいを持つ子どもを養育している保護者に対して支給される手当です。

本人の年金受給を支える給付金とは異なり、家庭における育児支援を目的としています。

特別障害者手当(月額:3万450円)

精神または身体に著しく重度の障がいがあり、在宅で常時介護を必要とする20歳以上の方が対象です。

生活支援給付金とは別の福祉手当として支給されます。

障害児福祉手当(月額:1万6560円)

日常生活で常時介護が必要な重度の障がいを持つ20歳未満の方に支給されます。

これは児童を対象とした福祉制度であり、公的年金制度とは異なる仕組みです。

3. 障害年金の支給件数で最も多いのは?新規・再認定の最新データから見る傾向

障害年金は、病気やけがが原因で生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金です。

障害者手帳の有無にかかわらず申請でき、身体的な障がいに限らず、以下のような幅広い疾病が対象となります。

  • 精神・知的障害:うつ病、統合失調症、発達障害、認知障害など
  • 外部障害:手足の機能障害、視覚・聴覚の障害など
  • 内部障害:心疾患、腎疾患、呼吸器疾患、がん、糖尿病、血液疾患など

2025年9月に日本年金機構が公表した「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」によると、支給が決定された中でどの障がいが多かったのか、診断書の種類別に支給件数を見ていきましょう。

令和6年度 診断書種類別の支給件数6/6

令和6年度 診断書種類別の支給件数

出所:日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」

支給決定件数の中で最も高い割合を占めたのは「精神・知的障害」でした。

  • 新規裁定(新たに受給を開始したケース):全体の67.0%(約8万7000件)
  • 再認定(受給資格を更新したケース):全体の79.1%(約24万件)

精神・知的障害の分野では、新規での受給開始と更新の両方で多くの支給決定がなされていることがわかります。

障害年金は、障がいを持つ方々の生活を経済面から支える重要な社会保障制度であり、今後も適切な判定と制度のさらなる充実が求められます。

4. いざという時に適切に行動できるよう備えておくことが重要

今回は、2026年度における障害年金改定の要点を中心にお伝えしました。

基礎年金・厚生年金ともに支給額が増額され、特に1級・2級に該当する方には手厚い保障が提供されます。

さらに、生活を支えるための給付金や各種福祉手当も見直されました。

また、支給データからは精神・知的障がいを持つ受給者が多いという実態も明らかになりました。

ご自身やご家族に関わる可能性のある制度について理解を深め、いざという時に適切に行動できるよう備えておくことが重要です。

※当記事は再編集記事です。

参考資料