高市政権発足後の2025年11月の成長戦略会議で、AIや防衛、GX(脱炭素)など17の戦略分野が示されました。投資市場ではいわゆる「高市銘柄」として注目されていますが、実は「働き先」としても極めて魅力的な実態が、今週発表の最新統計から明らかになりました。
今週2月9日に発表された厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果速報」によると、調査産業計の平均月給は35万5919円(前年比2.3%増)でした。一方、戦略分野と重なる産業では、これを大きく上回る水準となっています。
1. 【高市銘柄】高市政権が注力する「17の戦略分野」とは何か
日本成長戦略本部は、リスクや社会課題に対して官民が連携して戦略的な投資を行い、経済成長を目指すために内閣に設置された組織です。この本部の下で「日本成長戦略会議」を開催し、世界共通の課題解決に役立つ製品やインフラの提供に向けた具体的な施策を検討しています。
「日本成長戦略会議」において、官民連携による戦略的投資の対象となっている17の戦略分野は以下の通りです。
- AI・半導体
- 造船
- 量子
- 合成生物学・バイオ
- 航空・宇宙
- デジタル・サイバーセキュリティ
- コンテンツ
- フードテック
- 資源・エネルギー安全保障・GX
- 防災・国土強靭化
- 創薬・先端医療
- フュージョンエネルギー
- マテリアル(重要鉱物・部素材)
- 港湾ロジスティクス
- 防衛産業
- 情報通信
- 海洋
これらの分野は、それぞれの担当大臣やワーキンググループが設置され、具体化に向けた検討が進められています。
2. 【高市銘柄】働く人の給与「平均月給63万円」も。どんな業種が平均給与高い?
「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果速報」の結果をもとに、政府が指定した17の戦略分野を統計上の産業分類に紐付け、それぞれの給与実態を詳しく見ていきましょう。
※「創薬・先端医療」業種分類としては「製造業(医薬品)」が主ですが、サービス面を含む場合は「医療、福祉」も含まれます。
※「製造業」の範囲: 表の中で「製造業」が複数に分かれていますが、毎月勤労統計調査の分類ではこれらは一括して「製造業」として集計されます。
※「マテリアル(重要鉱物)」: 分野としては「製造業」ですが、原料採取に近い側面がある場合は、統計上の「鉱業、採石業等」が関連することもあります。
※「海洋・造船」などの漏れ: 検討体制図にある「造船」「航空・宇宙」「海洋」などは、今回の表の「製造業」に含めて整理します。
2.1 産業別・給与実態まとめ:製造業は伸び率「全産業の約2倍」
2025年分の速報値から、主要な分類ごとの平均月給(現金給与総額)と、前年からの伸び率をまとめました。
「製造業」に該当する分野(AI・半導体、マテリアル、防衛産業、造船、航空・宇宙、創薬など)
現金給与総額:43万622円/前年比:4.3%増
日本の基幹産業であり、戦略分野の多くがこの分類に含まれます。全産業平均を上回る伸び率となっています。
「情報通信業」に該当する分野(情報通信、デジタル・サイバーセキュリティ、コンテンツ)DX(デジタルトランスフォーメーション)
現金給与総額:54万9590円/前年比:4.2%増
給与水準は全産業の中でも高い水準となっています。
「電気・ガス業」に該当する分野(資源・エネルギー安全保障・GX、フュージョンエネルギー)
現金給与総額:63万7601円/前年比:6.3%増
脱炭素社会の実現に向けたインフラ投資が集中する分野です。今回取り上げた主要分類の中では、最も高い水準となっています。
「建設業」に該当する分野(防災・国土強靭化)
災害対策や老朽化したインフラの整備を担う国策の要です。
なお、「創薬・先端医療」分野については、研究開発を担う「メーカー(製造業)」と、実際の提供の場となる「医療、福祉」で統計上の数字が分かれています。最新の月間給与額では、製造業が43万622円に対し、医療、福祉は31万7809円となっています。一口に成長分野といっても、どのフェーズ(段階)でその産業に関わるかによって、受けられる待遇の恩恵が異なることがわかります。


