将来のライフプランを立てる上で、リタイア後にいくら必要なのか把握しておくことは大変重要です。
2026年度(令和8年度)の年金額はプラス改定となりますが、近年の物価上昇を考慮すると、年金だけで家計のすべてを賄えるのか不安を感じる方も少なくないでしょう。
総務省の最新の家計調査によると、65歳以上の無職世帯では、年金収入を中心とした実収入だけでは支出を賄えず、毎月数万円単位の赤字が発生しているという厳しい現状が見えてきます。
また、厚生労働省の調査では、年金受給世帯の約4割が「年金のみ」で生活しており、個々の受給額の差がそのまま生活の質に直結している実態も浮き彫りになっています。
一方で、2025年に成立した年金制度改正法により、在職老齢年金の緩和や社会保険の適用拡大など、シニアの働き方を後押しする制度変更も動き出しています。
今回は、最新の統計から見るシニア世帯の平均的な収支バランスとともに、2026年度の最新年金額や制度改正のポイントを詳しく解説します。
1. 【老齢年金世代】65歳以上の無職世帯《ふたり暮らし & ひとり暮らし》生活費はひと月どのくらい必要?
まずは65歳以上世帯の標準的な家計収支から、ひと月の生活費がどの程度かかるかを見ていきます。
2025年3月11日に総務省より公表された「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上無職の夫婦世帯と単身世帯のひと月の家計収支を見てみましょう。
1.1 ケース1:65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支
実収入の月額平均:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
支出の月額平均:28万6877円
■うち消費支出(いわゆる生活費):25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- うち諸雑費:2万2125円
- うち交際費:2万3888円
- うち仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
月々の家計収支の結果
- 3万4058円の赤字
この夫婦世帯の場合、ひと月の実収入25万2818円に対し、支出は合計28万6877円で、月の家計収支は3万4058円の赤字となっています。
1.2 ケース2:65歳以上の無職単身世帯の家計収支
実収入の月額平均:13万4116円
■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円
支出の月額平均:16万1933円
■うち消費支出:14万9286円
- 食料:4万2085円
- 住居:1万2693円
- 光熱・水道:1万4490円
- 家具・家事用品:6596円
- 被服及び履物:3385円
- 保健医療:8640円
- 交通・通信:1万4935円
- 教育:15円
- 教養娯楽:1万5492円
- その他の消費支出:3万956円
- うち諸雑費:1万3409円
- うち交際費:1万6460円
- うち仕送り金:1059円
■うち非消費支出:1万2647円
- 直接税:6585円
- 社会保険料:6001円
月々の家計収支の結果
- 2万7817円の赤字
単身世帯の場合は、ひと月の実収入13万4116円に対し、支出は合計16万1933円で、月の家計収支は毎月2万7817円の赤字となっています。

