3月に入り、春の柔らかな日差しとともに、年度末の慌ただしさを感じる季節となりました。2月13日に「2026年最初の年金」が振り込まれてから半月余り。通帳の数字を眺めながら、「自分の年金って、世間的には多い方なのだろうか?」と改めて考えた方も多いのではないでしょうか。
特に2026年度(4月分〜)の年金額は、物価や賃金の変動を反映した改定が行われるため、3月は「現行の受給額」を確認し、新年度の生活設計を立てる重要な節目です。
実は、厚生労働省年金局によれば、月額30万円(1回の支給で60万円)以上を受け取っている人は、厚生年金受給者全体の中でもごくわずか。
多くの方はそれよりも限られた予算の中でやりくりをしています。本記事では、厚生年金の受給額分布を詳しく確認しつつ、ねんきんネットなどを用いた「ご自身の年金額の正しい確認方法」を分かりやすく整理します。
1. 厚生年金の「受給額60万円(月額30万円)以上」は全体の0.12%
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、厚生年金保険(第1号)の老齢年金について、年金月額の下級別に受給権者数が示されています。
同資料によると、厚生年金の年金月額30万円以上の受給者は1万9283人です。
厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者の総数は16,085,696人のため、30万円以上の層は全体の0.12%にとどまります。
また、男女計の平均年金月額は15万289円でした。
厚生年金の受給額は加入期間や標準報酬月額などの影響を受けるため、就業形態や勤続年数の違いが平均額の差として表れやすくなっています。
2. ねんきんネットで見込額を確認
統計上の分布や平均額を踏まえたうえで、まずはご自身の年金額と見込額を確認しておくことが重要です。確認手段のひとつが、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」です。
「ねんきんネット」は、年金記録の確認、年金見込額の試算、通知書の閲覧等、年金情報の確認や年金に関する各種手続きが行えるサービスで、スマートフォンやパソコンから利用できます。
見込額の試算は「かんたん試算」または「詳細な条件」で確認ができます。「かんたん試算」では、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して見込額を自動的に試算できます。
「詳細な条件で試算」では、今後の働き方や、老齢年金を受け取る年齢、未納分を今後納付した場合など、お客様ご自身で詳細な試算条件を設定して年金見込額を試算できます。
※75歳以上の方はご利用できません。
※共済組合加入期間は、試算に制約があります。
3. 公的年金の受給額には差があるため、早めの準備を
公的年金制度の受給額は、加入期間や現役時代の賃金水準などの影響を受けるため、受給額には個人差が大きく出ます。年金額の確認と合わせて、必要に応じて公的年金以外の備えも選択肢になります。
必要に応じて、iDeCo(個人型確定拠出年金)や新NISAなどの制度を活用した資産形成により、公的年金を補完する備えを検討する選択肢もあります。
参考資料
小西 雅美