5. それでもサンリオに期待できる2つの理由
では、サンリオの株価はもう上がらないのでしょうか? 泉田氏の見解は「No」です。ここからの復活シナリオとして、いくつかのポジティブな要素を挙げています。
5.1 理由(1)「リアル」こそが最強のエンゲージメント
泉田氏は、ディズニーランドを例に挙げ、「リアルなパーク体験こそが、ファンを熱狂させ、次の世代へと好きをつなぐ最強の装置(エンゲージメント)になる」と語ります。
テーマパークへの投資は、一見効率が悪く見えても、長期的にはファンの熱量を高め、ブランド価値を底上げするために必要な戦略だというのです。
実際、テーマパークの客単価は右肩上がりで伸びており、ピューロランドでは約9000円、ハーモニーランドでも約6500円と過去最高を達成しています。これは、単に若い人だけでなく、お金を持てる大人世代もしっかり楽しめている証拠だと泉田氏は分析します。
5.2 理由(2)巧みな「ポートフォリオ戦略」
また、サンリオの強みは「ハローキティ」一本足打法からの脱却に成功している点です。アメリカではキティちゃんの比率を下げてリスクを分散し、他のキャラクター(クロミ、シナモロールなど)を育成しています。
泉田氏は、「キキララ」が50周年を迎えることに触れ、「自分が子供の頃に好きだったキャラが今も現役で、しかも周年イベントで盛り上げている。親子二代、三代でファンになれる仕組みが作れている」と、同社のキャラ別・地域別戦略の巧みさを高く評価しました。
6. 株価は「変化」を見るもの
株式投資の本質について、泉田氏は「株価にとって一番大事なのは『変化』です」と強調します。
期待値と実際の実績の戦いの中で、期待値を実績が超えてくる瞬間、株価はまた上がるのです。
業績は絶好調。しかし、市場の期待が高すぎたために調整が入った現在のサンリオ。テーマパークへの投資や海外戦略が実を結び、再び投資家の期待を超える成果を出せるかどうかが、今後の株価復活のカギとなりそうです。
単に「業績が良い=買い」と飛びつくのではなく、市場の期待値や企業の長期的な戦略まで読み解くこと。今回の泉田氏の解説は、投資初心者にとっても企業の決算を見る上での重要な視点を与えてくれています。

