2. 「損益計算書は真っ赤」でも「キャッシュフローは黒字」のカラクリ
ここで泉田氏が最も強調するのが、「会計上の赤字(PL)」と「お金の出入り(CF)」は全く別物であるという点です。
- PL(損益計算書): 「のれん減損」という損失を計上したため、見かけ上は巨額の赤字(真っ赤)です。
- CF(キャッシュフロー): しかし、「減損」はあくまで帳簿上の数字を書き換える処理であり、実際に銀行口座から現金が出ていくわけではありません。
実際に「営業キャッシュフロー(本業で稼いだ現金)」を見ると、第3四半期までで615億円のプラスになっています。投資活動などを差し引いた「フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)」も300億円以上のプラスです。
資生堂、「過去最大の赤字」でも倒産リスクがほぼゼロの理由を動画で見る
つまり、「計算上は赤字だけど、手元の現金はむしろ増えている」というのが今の資生堂の実態なのです。
3. 実は「日本」と「中国」はしっかり稼いでいる
ニュースでは「赤字」ばかりが報じられますが、地域別に見ると好調なエリアも存在します。
- 日本事業: 売上はほぼ横ばいですが、利益(コア営業利益)は前年比で100億円以上増益し、稼ぐ力が明確に回復しています。
- 中国・トラベルリテール(免税店など): 景気悪化で苦戦していると言われつつも、利益額で見ると約467億円を稼ぎ出し、依然として資生堂の最大の収益源です。
一方で、足を引っ張っているのが米州(アメリカ)事業です。売上が減少し、赤字幅も拡大しています。ここをどう立て直すかが今後の課題と言えるでしょう。

