3. 60歳〜65歳までの「年金空白期間」に年金を受給できる2つのケースとは?
ここからは、65歳になる前に年金を受け取れるケースや、具体的な申請の流れについて詳しく見ていきます。
年金保険料の納付は原則60歳で終了しますが、支給開始は原則65歳からです。
この「空白期間」がある中で、特定の条件を満たす場合に65歳前から年金を受け取れるケースがあります。
3.1 空白期間に受給できるケース1:経過措置である「特別支給の老齢厚生年金」
かつて厚生年金の支給開始年齢は60歳でしたが、制度改正により段階的に引き上げられ、現在は国民年金と同じく原則65歳から支給されます。
この変更に伴う緩和措置として、特定の生年月日以前に生まれた人は、65歳になるまでの間「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる経過措置が設けられています。
※男性の取り扱いについて
男性は1961(昭和36)年4月1日以前生まれの方が対象でしたが、すでに全員が65歳に到達しているため、今後新たに受給権が発生することはありません。
この経過措置を受けるには、次の3つの条件すべてを満たす必要があります。
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしている
- 厚生年金保険などに1年以上加入していた
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している
受給開始年齢は、個人の生年月日や性別によって異なります。
3.2 空白期間に受給できるケース2:希望により受給開始を早める「繰上げ受給」
老齢年金を「60歳から64歳までの間」に前倒しで受け取ることができる制度を「繰上げ受給」といいます。
2026年時点でよく紹介される「減額率0.4%(最大24%)」は、2022年4月以降に60歳を迎えた世代(1962年4月2日以降生まれ)が対象です。
一方、2026年に65歳を迎える人には、一貫して「0.5%(最大30%)」の減額率が適用されます。
この減額率は生涯変わらないため、繰上げ受給を選ぶ際には慎重な判断が必要です。
著者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)