厚生年金の平均受給額は約15万円ですが、都道府県によって差が生じていることをご存じでしょうか。

平均賃金の高い都道府県では厚生年金受給額も高額に、反対に、平均賃金の低い都道府県では厚生年金受給額も低額になる傾向があります。

本記事では、最新のデータから厚生年金の平均受給額を確認するとともに、平均受給額が高い・低い都道府県をそれぞれ10位ずつ紹介していきます。

1. 厚生年金・国民年金の平均受給額をチェック

厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度の厚生年金・国民年金の平均受給額は以下の通りです。

なお、厚生年金には国民年金も含まれています。

厚生年金・国民年金の平均受給額1/5

厚生年金・国民年金の平均受給額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

1.1 【厚生年金】

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

1.2 【国民年金】

  • 全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

厚生年金は15万289円、国民年金は5万9310円です。

この金額は全国平均であり、実は都道府県によって平均額が異なります。

特に、厚生年金では金額が大きく異なるところがあります。

では、平均受給額の多い、または少ない都道府県はどこなのでしょうか。

次章で詳しく確認していきましょう。

2. 厚生年金の平均受給額が高い・低い都道府県は?

をもとに、厚生年金の平均受給額が高い都道府県上位10、そして低い都道府県10を確認していきましょう。

2.1 厚生年金の平均受給額が高い都道府県10

厚生年金の平均受給額が高い都道府県上位10は以下の通りです。

厚生年金の平均受給額が高い都道府県上位102/5

厚生年金の平均受給額が高い都道府県上位10

出所:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 をもとに筆者作成

  • 1位:神奈川県(17万457円)
  • 2位:千葉県(16万5103円)
  • 3位:東京都(16万3892円)
  • 4位:奈良県(16万2292円)
  • 5位:埼玉県(16万1752円)
  • 6位:愛知県(16万766円)
  • 7位:兵庫県(15万9086円)
  • 8位:大阪府(15万6272円)
  • 9位:滋賀県(15万4456円)
  • 10位:茨城県(15万2963円)

厚生年金の平均受給額が最も高い都道府県は神奈川県で、17万457円です。

2位の千葉県16万5103円より、約5000円も高額になっています。

上位5の都道府県のうち関東圏が4つを占めている状況です。

続いて、受給額が低い都道府県も確認していきましょう。

2.2 厚生年金の平均受給額が低い都道府県10

厚生年金の平均受給額が低い都道府県10は以下の通りです。

厚生年金の平均受給額が低い都道府県103/5

厚生年金の平均受給額が低い都道府県10

出所:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 をもとに筆者作成

  • 1位:青森県(12万8129円)
  • 2位:沖縄県(12万8819円)
  • 3位:宮崎県(12万9224円)
  • 4位:秋田県(12万9503円)
  • 5位:山形県(13万1169円)
  • 6位:高知県(13万2202円)
  • 7位:熊本県(13万2740円)
  • 8位:岩手県(13万2943円)
  • 9位:鹿児島県(13万3343円)
  • 10位:鳥取県(13万3459円)

厚生年金の平均受給額が低い都道府県は、主に東北地方や九州・沖縄地方に多く見られます。

最も平均額の低い青森県は、最も高い神奈川県よりも約4万2000円少なく、年間にすると約50万4000円も差が生じることになります。

では、なぜこれほどの金額の差があるのでしょうか、次章でその理由を解説していきます。

3. 都道府県間で受給額に差が出る原因

都道府県間で厚生年金の受給額に差が出る理由の一つとして、現役時代の年収の違いが影響していると考えられます。

厚生年金の受給額は、現役時代の年収や厚生年金への加入期間などによって決まります。

一般的に、現役時代の年収が高額なほど受給額も高額になることが多いことから、都道府県間の平均年収の差が厚生年金受給額の差に関係しているのではないかと考えられるためです。

そこで、都道府県別の平均賃金の上位10件と、下位10件をまとめてみました。

3.1 平均賃金の高い10の都道府県

都道府県別の平均賃金の上位10件4/5

都道府県別の平均賃金の上位10件

出所:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(都道府県別) をもとに筆者作成

【都道府県別平均賃金 上位10】

  • 1位:東京都 40万3700円
  • 2位:神奈川県:35万5800円
  • 3位:大阪府:34万8000円
  • 4位:愛知県:33万2600円
  • 5位:京都府:32万3300円
  • 6位:埼玉県:32万2300円
  • 7位:千葉県:32万300円
  • 8位:兵庫県:31万8800円
  • 9位:栃木県:31万4400円
  • 10位:滋賀県:31万2900円

平均賃金が高い都府県には、大都市や主に関東地方が含まれていることがわかります。

なお、厚生年金受給額の上位10の都府県に該当するものには、右端に「※」が記してあります。

厚生年金受給額の上位10の都府県のうち、平均賃金の上位10のものが8つ該当していることから、厚生年金受給額と現役時代の年収は深く関係していると考えられます。

では続いて、平均賃金の低い10の都道府県も見ていきましょう。

3.2 平均賃金の低い10の都道府県

都道府県別の平均賃金の下位10件5/5

都道府県別の平均賃金の下位10件

出所:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(都道府県別) をもとに筆者作成

【都道府県別平均賃金 下位10】

  • 1位:宮崎県:25万9800円
  • 2位:青森県:25万9900円
  • 3位:秋田県:26万5500円
  • 4位:沖縄県:26万6300円
  • 5位:岩手県:26万7000円
  • 6位:鳥取県:26万9100円
  • 7位:島根県:26万9300円
  • 8位:山形県:27万2400円
  • 9位:高知県:27万3300円
  • 10位:福島県:27万6300円

平均賃金の低い10の県のうち、厚生年金受給額も低いところが8つ該当しており(※印の県)、やはり平均賃金と関係しているといえるでしょう。

4. おわりに

厚生年金の受給額は都道府県間で差があり、1位と47位とでは毎月約4万2000円、年間で約50万円もの差が生じています。

お住いのエリアによって物価や生活様式などが異なるため、生活に与える影響は一言では言えませんが、厚生年金はできるだけ多く受給できることが望ましいです。

現役世代の方は、年収をアップさせる方法を考えたり、新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を活用したりして、家計に合った方法で老後資金の準備を計画的に進めていくことをおすすめします。

参考資料

木内 菜穂子