接客改善業務に携わっていると、「上司や同僚・後輩に好かれて、気持ち良く仕事がしたい」といったスタッフ同士の人間関係についても相談を受けることがあります。
とはいえ、ひと昔前によく問題になったサービス残業や職務後の過剰な「飲みニケーション」については、違和感を抱いている人も少なくありません。そこで今回は、労力を最小限に抑えながらも上司や同僚に好感を持たれる行動と会話パターンを3つ紹介します。
陰で人を褒める
これは、心理学で言うところの「ウィンザー効果」を利用する方法です。
ウィンザー効果とは、「情報や効果について、直接的に本人や当事者から聞くのではなく、第三者などから間接的に聞いたほうが信じやすくなる」という効果のことを言います。
たとえば商品を買うときに、クチコミで判断する人が多いのも、ウィンザー効果が働いていると言えます。
占い師である本人が「私の占いは当たります」と言っても信じにくいけれど、誰かから「あの占い師って、良く当たるらしいよ」と聞くと「そうなのかも」と思ってしまうようなイメージです。
陰で人を褒めていると、人を介して本人に伝わることがあります。そのときに発揮されるのが、この「ウィンザー効果」なのです。
たとえば、あなたの後任となり、取引先のAさんに初めて会う後輩Bがいたとしましょう。
同僚Bに引き継ぐときには、「Aさんは無口な印象を受けるけど、実はとても話好きで、情に厚くて面倒見のいい人なんだ」と、Aさんの良い部分を伝えます。
また、取引先のAさんにも、「Bは若手ですが、しっかりと丁寧に仕事をこなすので、今までに担当してきたお客様にも人気があります」と、後輩Bの魅力的な部分を伝えます。
後輩Bが取引先に行ったとき、Aさんが「〇〇さんの後任のBさんですね? しっかりと丁寧に仕事をこなすから、お客様にも人気だそうですね。〇〇さんから聞いていますよ」と、言ったとします。
後輩Bはもちろん嬉しく感じるでしょうし、「私も、Aさんのことは、情に厚くて面倒見のいい人だと〇〇から聞いています」と伝えてくれる可能性が高いでしょう。
するとAさんも嬉しく感じ、Aさんと後輩Bがお互いに良い印象を持って良好な関係に発展する可能性が高くなります。
嬉しいことはそれだけではなく、Aさんも後輩Bも「良い部分を伝えた」あなたに感謝し、結果的にあなた自身の評価がアップする可能性も高くなるのです。
オウム返しで会話をはずませる
「オウム返し=バックトラッキング」も、日常生活の中で簡単に実践することができます。
バックトラッキングとは、相手に「理解されている」「受け入れられている」と認識してもらい、相手との距離を縮める心理的テクニックです。
基本的には「相手の言葉をオウム返し」するだけですが、特にオウム返しが効果を発揮するのは、下記の3つのケースです。