2. 直近の「逆転現象」が示す、分散投資の本質

5年以上の長期的な視点では、米国市場の爆発的な成長を背景にS&P500が大きなリターンを記録しています。しかし、直近1年間ではオルカンがS&P500を約7ポイント上回っています。

特に注目すべきは、直近1カ月(2026年1月)の対照的な動きです。

  • S&P500: ▲1.38%(マイナス)
  • オルカン: +0.77%(プラス)

米国市場が調整局面に入りS&P500がマイナス圏に沈む中、オルカンがプラスを維持できた背景には、「地域分散」によるリスクヘッジ効果が明確に表れています。

まさに、「特定の国に依存しすぎない」というオルカンの守備力の高さが証明された結果となりました。

最新のデータを基に、それぞれのファンドの特徴を見ていきましょう。

2.1 オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の概要

このファンド一つで、日本を含む先進国や新興国など、世界中の株式約2500銘柄へ分散投資が可能です。その名の通り「オールカントリー(全世界)」を対象としています。

  • 国・地域別構成比率(上位3位):アメリカ(63.4%)、日本(4.8%)、イギリス(3.2%)
  • 主な組入銘柄:1位 NVIDIA、2位 Apple、3位 Microsoft
  • 信託報酬:年率0.05775%(税込)以内。業界最低水準の低コストで運用できる点が大きな魅力です。
  • 特徴:世界経済の動向に応じて、運用会社が自動で国・地域別の投資比率を調整(リバランス)します。そのため、投資家自身が成長国を予測する手間がかかりません。

2.2 S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)の概要

S&P500指数とは、アメリカの株式市場を代表する主要企業約500社の株価から算出される株価指数のことです。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、この指数に連動する運用成果を目指し、アメリカの主要産業をリードする大企業約500社に投資します。

  • 資産構成:実質的に米国株式へ100.1%投資します。
  • 主な組入銘柄:1位 NVIDIA(7.7%)、2位 Apple(6.8%)、3位 Microsoft(6.1%)
  • 信託報酬:年率0.08140%(税込)以内。
  • 特徴:アメリカ経済の成長の恩恵を直接的に受けられるのが強みです。オルカンと比較して上位銘柄への投資比率が高く、特に米国のハイテク株が上昇する局面では、高いリターンが期待できます。