2026年も1ヵ月が過ぎ、今年も確定申告の時期が近づいてきました。昨年住宅ローンを借り入れた人は、「住宅ローン減税」の適用を受けるために確定申告を行わなければなりません。
住宅ローン減税はよく耳にする制度ですが、具体的にどのような制度なのか、どれくらいの減税効果があるのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、住宅ローン減税の概要や実際の減税効果について元銀行員の筆者が解説します。制度を利用する際の注意点についても紹介しますので参考にしてください。
1. 《住宅ローン控除》最大13年間「残高の0.7%が戻る」
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて自宅を購入・増改築等をしたときに一定の要件のもとで控除を受けられる制度です。控除の対象となるのは年末時点の住宅ローン残高の0.7%で、最長13年間控除を受けることができます。
住宅購入資金は「人生の3大支出」のひとつともいわれるほど、家計に大きな影響を与える支出です。その借入額で控除が受けられるのは嬉しい制度といえます。
2. 《住宅ローン控除》残高4000万円の場合「年間28万円」の実質手取り増に!
では、具体的にどれくらいの税負担が抑えられるのでしょうか。住宅ローン控除では、住宅ローン年末残高の0.7%の税額控除が受けられます。税額控除は、いったん決まった税額から一定額を差し引くしくみです。
仮に年末時点での住宅ローン残高が4000万円とした場合、控除額は下記のとおりです。
- 4000万円 × 0.7% = 28万円
この28万円が所得税から控除され、控除しきれない分は住民税からも一部差し引かれます。
ただし、ここで算出された控除額はあくまで「上限額」です。もし自分の納税額がこの金額を下回る場合は、その差額まで還付されるわけではありません。
そのほか、住宅ローン減税を利用する際はいくつか注意したいポイントがあります。次の章でくわしく紹介していきましょう。
3. 《住宅ローン控除》「繰上げ返済」は損?注意したい3つのポイント
確定申告「何が必要?」

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住宅ローン減税を有効活用するために、押さえておきたい3つのポイントがあります。
3.1 注意点(1)物件の性能に関する条件がある
住宅ローン減税は、住宅ローンを借りたら必ず適用されるわけではありません。住宅の広さや所得の要件などいくつかの条件が定められており、特に注意したいのが住宅性能に関する条件です。
住宅ローン減税では住宅の性能によって受けられる控除額が決められており、より環境に配慮された住宅であるほど大きな控除が受けられます。
たとえば、省エネ基準適合住宅では原則3000万円が借入限度額となっていますので、先ほどの例のように4000万円借り入れた場合であっても、控除を受けられるのは3000万円までです。
3.2 注意点(2)初年度は確定申告が必要
住宅ローン控除の適用を受ける初年度は、自ら確定申告の手続きを行う必要があります。手続きを行うのは、住宅ローンの借り入れを行った翌年2月16日〜3月15日です。
その際は、金融機関が発行する住宅ローンの年末残高等証明書や登記事項証明書、売買契約書の写しなど多くの書類が必要になります。確定申告は期限が定められていますので、余裕を持って手続きを始めるようにしましょう。
なお、会社員や公務員の方は、2年目以降は勤務先の年末調整で適用を受けられるようになります。
3.3 注意点(3)控除額は年々減少していく
住宅ローン減税は、「年末時点の住宅ローン残高」を基準に控除額が算出されます。したがって、控除額は年々減少する仕組みとなっています。
住宅ローンでは、「余裕ができたときに繰り上げ返済をして少しでも残高を減らしたい」と考える方も少なくありません。
たしかに、繰り上げ返済は返済期間を短縮したり、利息の負担を減らしたりするメリットがあります。しかし、繰り上げ返済によってローン残高が減れば、その分受けられる控除額も減ってしまいます。
控除のメリットをできるだけ活用するには、「控除期間を過ぎてから繰り上げ返済する」などタイミングを考慮するのもひとつの方法です。
4. 《住宅ローン控除》「子育て世帯」は優遇も。最新の制度改正の情報もチェックしておこう
住宅ローン減税は、税負担を大きく軽減してくれる制度です。しかし、適用にはいくつかの条件が定められており、その条件を満たさない場合は住宅ローンを借り入れても控除を受けることができません。
また、住宅ローン控除の制度は定期的に改正が行われています。実際に、現在子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せ措置や、省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額を引き上げることなどの改正が予定されています。
これから住宅ローンを借り入れる人は、最新の税制をチェックしてどのような条件が定められているか、自分が購入する住宅は対象となるか、しっかりと確認するようにしましょう。

