4.3 NISAのメリットとは?
老後に向けた資産形成を考えるうえで、NISAは有効だと言われています。NISAの最大の特徴は、運用によって得た利益が非課税で受け取れるという点にあります。
先に示したシミュレーションでは、運用の結果として139万円の利益が生じていました。これを通常の課税口座で運用していた場合、この利益はそのまま受け取れるわけではありません。
株式や投資信託の利益には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた約20%の税金が課されるためです。
139万円の利益に対して約20%が課税されると、税負担はおよそ30万円にのぼります。本来であれば、この金額を差し引かれた残りが実際に手元に残る利益となります。
しかし、NISA口座を利用していれば、こうした税金は一切かかりません。運用によって得られた139万円は、その全額を自分の資産として確保できるのです。税金による目減りがないという点は、長期で資産を育てていくほど、その差が大きくなっていきます。
この「利益をそのまま受け取れる仕組み」こそが、NISAが老後の資産形成において心強い制度だと評価されている理由と言えるでしょう。
これこそ、NISAが「個人の資産づくりの心強い味方」と言われる理由です。
5. まとめにかえて:老後資金を現実的に考えよう
働き盛りの40歳代・50歳代の貯蓄状況を見ていくと、平均値と中央値の差が大きく、貯蓄額の二極化が進んでいる現実が浮き彫りになります。
特に50歳代では、貯蓄額が500万円未満の世帯が約4割を占めており、多くの世帯が十分な貯蓄を確保できていない状況にあります。
一方で、65歳以上の無職夫婦世帯では、平均的な家計が毎月3万円を超える赤字となっていることも明らかになっています。
現役世代にとっては、住宅ローンや教育費といった目の前の支出への対応に追われがちですが、それと同時に老後の生活資金についても現実的に備えていく必要があります。
老後のお金に関する対策は、早く意識し始めるほど選択肢が広がります。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を上手に取り入れながら、自分のライフステージに合った形で、無理のない資産形成を進めていくことが重要だと言えるでしょう。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査」第3章 年齢階級別に見た暮らしの特徴
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAを知る」
マネー編集部貯蓄班