2. 老後2000万円が「安心の防衛ライン?」予想外の支出にも備えを!
高齢夫婦無職世帯の「1226万円」はあくまで最低限の生活費です。ここに、調査に含まれない「特別な支出」を加算してみましょう。公益財団法人 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)によると、「介護を経験した世帯が実際に負担した費用」の平均は以下の通りです。
- 一時費用(住宅改修など):平均47万円
- 月額介護費用:平均9.0万円
- 平均介護期間:55.0ヶ月(4年7ヶ月)
ひとりあたりの介護費用は約540万円(一時費用47万+月額9万×55ヶ月)になります。ここで、緊急予備資金や特別な支出(例:自宅の修繕、家電の買い替え、孫へのお祝い金など、家計調査の月次データに反映されにくい大きな出費)として、年間10万円ずつ、老後30年間で300万円を確保したいと考えたとします。
これらを夫婦の生活費不足分(1226万円)に足すと、合計は約2066万円となります。 つまり、2000万円という数字は決して贅沢な暮らしのためではなく、「リスクに備えた現実的な防衛ライン」といえます。
また、忘れてはならないのが「インフレ(物価上昇)」の影響です。将来、モノの値段が上がれば、お金の実質的な価値は目減りしてしまいます。現在の2000万円で買えるものが、30年後も同じ値段で買えるとは限りません。だからこそ、ただ現金を貯めるだけでなく、物価上昇に負けないスピードで資産を「育てる」視点が、これからの老後準備には不可欠なのです。
