年金受給者の中には、条件によって確定申告が不要となる場合があります。
一定の条件を満たすと「確定申告不要制度」が適用されますが、すべての人が対象になるわけではありません。
本記事では、制度の考え方や例外を整理し、年金受給者が確認すべきポイントを紹介します。
1. 年金受給者は確定申告が必要なのか?
年金を受給していても、すべての人が確定申告をする必要はありません。
公的年金には「確定申告不要制度」があり、一定の条件を満たせば申告を省略できます。
ただし、年金額や年金以外の所得によっては、申告の対象になります。
2. 「確定申告不要制度」とは?年金受給者の基本ルール
確定申告不要制度とは、条件を満たす年金受給者が所得税の確定申告をしなくてもよい仕組みです。
下記に該当すると、原則として所得税の確定申告は不要です。
- 公的年金等の収入が400万円以下
- 年金以外の所得が20万円以下
ただし、すべての手続きが不要になるわけではありません。
3. 「公的年金等の源泉徴収票」で確定申告が必要かを確認する
確定申告が必要かどうかは、年金の支払者から届く「公的年金等の源泉徴収票」で確認できます。
2025年分の公的年金等の源泉徴収票は、2026年1月8日から15日にかけて順次発送されます。
(1)には「支払金額」、(2)には「源泉徴収税額」が記載されています。
それぞれ、申告の要否や還付の可能性を判断するために確認します。
4. 確定申告不要制度の対象者でも申告が必要なケースもある
確定申告不要制度の対象であっても、申告が必要、または申告した方がよいケースもあります。
たとえば、医療費控除や社会保険料控除など、所得控除の適用により、確定申告をする場合です。
また、確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になるケースもあります。
5. 【厚生年金・国民年金】平均月額はいくら?
2025年12月に厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」で年金の平均月額が公表されました。
【2024年度】
- 厚生年金:15万1142円
- 国民年金:5万9431円
加入期間や働き方によって、実際の受給額には個人差があります。
6. まとめにかえて
国税庁が定める確定申告不要制度の要件を満たす場合、公的年金のみを収入源としている方の多くは確定申告を行う必要はありません。
一方で、年金以外の収入がある場合や、医療費控除など各種控除を受ける場合には、確定申告が必要となる場合があります。
手続きには手間がかかりますが、申告によって税負担を軽減できるケースもあるため、自身の状況に応じて確認しておきましょう。
参考資料
- 政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」
- 国税庁「所得税の確定申告が不要になる場合があります!!」
- 日本年金機構「「公的年金等の源泉徴収票」について」
- 日本年金機構「「令和7年分公的年金等の源泉徴収票」の送付について」
- 日本年金機構「令和7年分公的年金等の源泉徴収票」
- 国税庁「令和7年版 源泉徴収のしかた」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
円城 美由紀