3. 認知症リスク「シニアの約4人に1人」認知機能に何らかのサイン?

長寿化が進むなかで、私たちにとって身近な課題となっているのが「認知症」です。認知症とは、脳の神経細胞の働きに変化が生じることで、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障が出ている状態を指します。

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)

65歳以上の高齢者における認知症の現状(令和4年(2022年)時点の推計値)

出所:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

65歳以上のシニア層3603万人を対象にした令和4年度(2022年度)の推計をみていきましょう。これに基づくと、65歳以上の高齢者における現状は以下の通りです。

  • 認知症: 約443万人(12.3%)
  • 軽度認知障害(MCI): 約559万人(15.5%)

これらを合わせると、約1002万人となり、65歳以上の高齢者の27.8%、つまり約4人に1人が、認知機能になんらかのサインが現れている状態です。また、65歳未満で発症する「若年性認知症」は平均54歳と若く、誰もが当事者になり得ます。判断能力があるうちに、財産管理や介護の希望を整理しておくことは、自分の尊厳を守るだけでなく、家族の負担を減らすことにも直結します。MCIの段階で適切に対応することが、その後の生活の質を左右する鍵となります。

4. まとめにかえて

今回は、公的年金の受給水準と、老後の膨大な自由時間、そして認知症のリスクについて解説しました。年金だけで月20万円を確保するのは容易ではなく、受給者の約8割がその壁の下にいるのが実情です。一方で、定年後には現役時代を上回る「11万時間」もの自由な時間が待っており、その充実には心身の健康と経済的な備えの両輪が欠かせません。認知症は4人に1人が直面する身近な問題だからこそ、MCI(軽度認知障害)の段階から意識を高めることが重要です。

まずは「自分がどう生きたいか」を具体的にイメージし、家計のシミュレーションやエンディングノートの作成など、できることから一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。今のうちに将来の青写真を描くことが、より自由で安心なセカンドライフを切り拓く鍵となります。

参考資料

村岸 理美