2012年にはポリオワクチンが「経口」から「不活化ワクチン」に切り替わり、接種の回数が全部で4回に。その他、B型肝炎ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、Hib(ヒブ)ワクチンが定期接種となりました(国立感染症研究所HP参照)。

予防接種のスケジュール管理に奮闘している保護者は多いのでは?

6. 家族関係の変化

そして、過去10年の最も大きな変化は「共働き家庭の増加」ではないでしょうか。これによって、子育て世帯の生活スタイルにも大きな変化がもたらされています。

終身雇用が一般的だった男性の雇用が既にグラついていた2008年、リーマンショックによって雇用環境はさらに悪化。手取り収入が右肩上がりに上がるのを期待するのは難しくなりました。にも関わらず、高騰する教育費。このような状況に不安を覚える子育て世代は少なくありません。

出産を機に仕事をやめる女性が減り、一度やめても子どもの預け先が見つかったらすぐにパートや派遣社員として働き始める女性も。以前『VERY妻はこう変わった。夫の家事育児への意識は変わるのか?』でもご紹介したように、家庭における家事・育児の分担は、子育て家庭の大きな課題となっています。

おわりに

平成最後の10年間は、子育て環境に大きな変化がもたらされました。情報収集の方法がインターネット中心になり、シニア世代から指南される「子どもを産むことが女性の幸せ」という考えも徐々に変化しています。

子育てを家族で完結させることの限界を発信する母親が増え、子育て中に感じる気持ちは多様で、「苦しいけど楽しい」そして「嬉しいけど大変」と、相反する感情があることが少しずつ受け入れられつつあるように思います。今はいずれ「十年一昔」と言われるようになりますが、これからの10年はどのような変化があるのでしょうか。

【参考】ポリオとポリオワクチンの基礎知識(厚生労働省)

北川 和子