「十年一昔」という言葉があります。10年を一区切りとして、その間には大きな変化があることを意味する言葉です。筆者は1歳~小5の3人の子どもを育てていますが、1人目の頃と比べて育児事情が目まぐるしく変化していることを日々感じています。この10年間に起こった5つの変化を考察していきます。

1. SNSの栄枯盛衰

まずは、SNSについて。過去10年間で、SNSの栄枯盛衰を目の当たりにしてきた方も多いのではないでしょうか。2000年代に「ミクシィ」やブログで交流していた子育て中の女性たちが2008年に日本に上陸した「フェイスブック」に少しずつ乗りかえ始め、2010年代にはツイッターで育児のグチを吐きだす女性が少しずつ増えていきました。

その後、フェイスブックでつながり疲れを感じ始めた女性たちは、インスタグラムで文章よりもビジュアル重視のキラキラとした日常を発信し始めます。一方で、子どものことをSNSにアップすることのリスクを感じ始め、アカウントを放置している人たちも少なくないようです。

2. ママ友同士の連絡手段はメールからラインへ

母親同士の主な連絡手段は、Eメールからラインに移り変わっています。かつてメーリングリストやメールの「cc機能」を使って行っていた複数の相手への連絡は、劇的にラクになりました。

井戸端会議がオンラインでできるようになったほか、PTAの役員活動や子ども会の連絡などもラインで行われる現場が増えています。子どもの数が多い人、ママ友が多い女性のスマートフォンは、常にピコピコと鳴り響いています。

3. 日本式ハロウィン文化が浸透

31年間の平成時代が佳境に差し掛かった頃に急激に日本文化に浸透したのがハロウィンイベントです。子どもたちがその年に流行したキャラクターに扮して地域のイベントに参加したり、家庭で仮装を楽しむ様子が見られるようになりました。

10年前は家庭に「ジャック・オ・ランタン」を飾る程度だったのが、今は本格的な仮装を楽しんでいる……という家族もいらっしゃるかもしれません。

4. ファストファッションの隆盛と衰退

街には、がんばらずにオシャレを楽しむ子育て中の女性が増えてきました。2008年~2009年には『H&M』や『FOREVER21』といったファストファッションが上陸。安くてトレンドを押さえた服を求めて店舗には行列ができました。

ところが、インターネット通販が充実し、女性たちが『ゾゾタウン』などのショッピングサイトで流行りの服を安く購入する賢さを身につけていくと同時に、ファストファッションのブームが縮小化していきます。無理してハイヒールを履かずにスニーカーを上手に履きこなすお母さんたちが増え、「この服、2,980円なの」というのが自虐でなく自慢になる時代に差し掛かっているのではないでしょうか。

5. 予防接種の複雑化

筆者が最も戸惑った10年間の変化のひとつが予防接種回数の増加です。