資産づくりを意識し始めたとき、「このタイミングから始めて遅くはないのか」「月々いくらなら続けられるのか」と迷う方も少なくありません。
30歳代前後は、仕事や家庭環境に変化が生じやすく、無理のないペースで取り組める方法を考えたい時期といえるでしょう。
そうした中で注目を集めているのが、新NISAを利用した「長期の積立投資」です。
では、毎月2万円という比較的取り組みやすい金額を30年間積み立てた場合、資産はどのくらい増えるのでしょうか。
本記事では、35歳から毎月2万円を新NISAで積み立てた場合を想定し、積立投資のシミュレーション結果をもとに、長期運用で期待できる効果について解説します。
1. そもそも「NISA制度」って何?利用すると何がお得なの?
まずは、現在のNISA制度について簡単に確認しておきましょう。
NISA(少額投資非課税制度)は、投資によって得た運用益に税金がかからない仕組みです。
通常、株式や投資信託などの金融商品で得た利益や配当には、原則として20.315%の税金が課されます。
しかし、NISA口座を利用して運用した場合、これらの利益は非課税となり、税負担を抑えることができます。
たとえば、投資によって100万円の利益が出た場合、通常であればおよそ20万円が税金として差し引かれます。
一方、NISAを活用すれば、この利益は非課税となり、100万円をそのまま受け取ることができます。
このNISA制度は以前からありましたが、2024年1月に制度が大きく見直され「新NISA」として新たに始まりました。
1.1 【変更点を整理】2024年からスタートした「新NISA」とは?
新NISAでは、旧制度と比べて年間投資限度額の拡大や非課税期間の見直しが行われ、使い勝手が大きく改善されています。
旧NISAでは年間に投資できる金額が限られており、最大でも年間40万円までしか非課税で運用できませんでしたが、新NISAでは投資枠が大幅に広がり、より多くの資金を非課税で運用できるようになりました。
さらに、旧NISAでは非課税で保有できる期間に上限があり、長期の資産形成には制約がありました。
一方、新NISAでは非課税保有期間が無期限となり、長期投資を前提とした資産形成が行いやすい制度へと変更されています。
では、新NISAを利用して、35歳から「毎月2万円×30年間」積み立てると資産はどのようになるのでしょうか。
2. 【利回り別】35歳から「毎月2万円×30年間」積み立てると資産はどうなる?
では早速、35歳から30年間の積立を想定した投資シミュレーションを、利回り別に行っていきます。
2.1 年利3%:35歳から「毎月2万円×30年間」積み立てた場合の資産額
積立額を「毎月2万円」、積立期間を「30年間」、想定年利回りを「3%」とした場合の将来の運用資産額は、次のとおりです。
- 投資元本:720万円
- 運用収益:437万円
- 投資後資産額:1157万円
2.2 年利4%:35歳から「毎月2万円×30年間」積み立てた場合の資産額
次に、想定年利回りを「4%」とした場合の将来の運用資産額は、次のとおりです。
- 投資元本:720万円
- 運用収益:651万円
- 投資後資産額:1371万円
2.3 年利5%:35歳から「毎月2万円×30年間」積み立てた場合の資産額
次に、想定年利回りを「5%」とした場合の将来の運用資産額は、次のとおりです。
- 投資元本:720万円
- 運用収益:911万円
- 投資後資産額:1631万円
年利3%を想定したシミュレーションでは、30年間の積立による運用益はおよそ437万円となり、預金のみの場合と比べると、資産を増やす効果が期待できるといえるでしょう。
さらに、年利4〜5%で運用できた場合には、30年間で約651万円〜911万円の運用益が見込まれ、最終的な資産額は元本のおよそ2倍に達します。
運用成績を事前に見通すことはできませんが、長期の視点で考えれば、年3%を上回るリターンを目指せる可能性もあります。
新NISAを活用する際は、無理のない金額で継続することを重視し、運用を続けることが大切といえるでしょう。
3. 【自分はどれが合ってる?】新NISAの活用パターン3つ
前章では、年利別のシミュレーションを行いましたが、中には「できるだけ早く目標額に近づけたい」「早めに積み立てを終えて、その後は運用に任せたい」などと考える方もいるでしょう。
そこで本章では、長期間コツコツ積み立てる方法とは異なる、いくつかの積立パターンについて紹介していきます。
3.1 パターン1:毎月の積立額を多めに設定する方法
以下は、毎月5万円を20年間、つみたて投資枠で積立投資した場合のシミュレーション結果です(年利は一律3%)。
毎月5万円を20年間、つみたて投資枠で積立投資した場合、想定される運用後の資産額は約1634万円となります。
積立期間は30年より短いものの、投資元本と比べるとおよそ1.4倍に増えており、一定の運用効果が期待できる結果といえるでしょう。
3.2 パターン2:年間投資枠をフルに活用し、継続保有する方法
次に、毎月10万円を15年間つみたて投資枠で積立投資し、その後15年継続保有した場合のシミュレーション結果を見ていきましょう。
毎月10万円を15年間投資し、その後は追加投資をせずに保有を続けた場合でも、年3%で運用すると資産は約3525万円まで増加します。
後半の15年間は積み立てを行っていないにもかかわらず、資産が伸びている点から、時間の経過による「複利の効果」が大きく影響していることが分かります。
この結果から、早めに積み立てを行い、長期間保有する戦略が資産形成において有効であることがうかがえます。
3.3 パターン3:途中で売却しても資産形成を続ける方法
以下は、つみたて投資枠を利用して毎月5万円を積み立て、10年経過時点で100万円を取り崩した後も、さらに10年間積立投資を続けた場合のシミュレーション結果です。
このケースでは、投資元本1200万円に対し、10年経過時に100万円を売却して活用しながらも、最終的に約1500万円の資産を確保できています。
新NISAは、売却時にも税負担が生じない仕組みのため、必要に応じて資金を動かしながら運用しやすい制度です。
途中で一部を引き出した場合でも、積立を継続すれば、資産形成への影響を抑えることができます。
長期投資では、無理のない形で運用を続けることが、結果的に安定した資産づくりにつながるといえるでしょう。
4. リスク許容度や家計に合わせて「新NISAを活用した資産形成」という選択肢も
本記事では、35歳から毎月2万円を新NISAで積み立てた場合を想定し、積立投資のシミュレーション結果をもとに、長期運用の効果について解説していきました。
新NISAを使った積立投資は、拠出額や投資期間、運用の進め方次第で多様な資産づくりが期待できます。
一定期間じっくり積み立てる方法に加え、早い段階で資金を投じたり、必要に応じて一部を取り崩しながら継続したりするなど、生活状況に合わせた活用も考えられます。
ただし投資である以上、価格変動リスクなどが伴い、市場の値動きによって運用利益が変わる可能性がある点は理解しておく必要があります。
新NISAの活用を検討する際は、リスクを踏まえたうえで、無理のない範囲とペースについて家計に合った選択を心がけましょう。







