そこで、今度は子育て中の貯蓄について見ていきましょう。日本の主な子育て世代である30代の貯蓄額はどのくらいあるのでしょうか。金融広報中央委員会の平成30年度、家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]によると、金融資産を保有していない世帯を含む30代の金融資産保有額は平均が660万円、中央値が 382万円です。
さらに、40代の平均は942万円で、50代の平均は1,481万円です。これを多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれでしょう。しかし、資産は少しずつでも増やす必要があることは感じられたのではないでしょうか。
30代は収入が増える年代ですが、同時に育児や住宅ローンなどを抱えるため、貯蓄をすることができないと感じる人もいるでしょう。しかし、30代は定年退職や年金の受給までに約30年の時間があります。
これは資産形成には大きな武器です。少額でも老後資金の積み立てや、非課税枠のあるiDeCo、NISAを活用するなど、資産形成のマインドを持つことは先々有利に働くはずです。
※それぞれの制度の特徴については『iDeCoとつみたてNISAとNISA、結局どれを選べばいいの?』を参考にしてください。
まとめ
若年出産と高齢出産、それぞれにメリットがあるようですね。なかなか計画通りにはいきませんが、どの年代に出産したとしてもポジティブにとらえて子育てしていきましょう。
また30年後に定年制度や年金制度、インフレなどがどうなっているのかは誰にもわかりません。だからこそ預貯金に頼らず、時代に柔軟に対応できる資産を形成することも、心がけていきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
LIMO編集部