第一子出産年齢は年々上昇傾向があり、2000年は28歳、2010年は29.9歳でした。平成28年度の人口動態統計(厚生労働省)によると、現在は平均30.7歳です。昔から出産は若いほうがいいとされていますが、実際のメリットはどのあたりにあるのでしょうか?

20代で出産することのメリット

子供を授かりやすい

若いほうが妊娠率は高く、母体、赤ちゃんともに危険が少ないというのは常識になっています。若いうちは妊娠に時間がかかっても、欲しいのになかなか子供ができない、というプレッシャーに対してマイナスの心理に陥りにくいのではないでしょうか。また、逆説的ではありますが、高齢になる前に出産することで高額な不妊治療費がかからなかった、と捉えることもできます。

体力がある

夜泣きや子連れでの移動、遊び相手など……。育児は、体力がなければ乗り越えられないことが多々あります。さらに家事や仕事との両立を考えると、若くて体力のあるうちに子育てをするのは合理的です。

老後の資産を形成する時間がある

ほとんどの家庭では、20年の子育てや35年の住宅ローンを抱えている間は老後のための貯蓄をする余裕がありません。早く出産して子育てを終えた家庭はその分だけ老後の資産を蓄える時間が長くなります。

祖父母が若い

母体が若いということは、赤ちゃんの祖父母も相対的に若いといえます。高齢で出産するケースよりも、体力的、金銭的にバックアップが望めます。

高齢出産でよかったと思えること

医療の進化や女性の社会進出により、高齢出産はより身近になりました。一般的にはデメリットが語られがちな高齢出産ですが、プラスに感じられることはたくさんあります。

頑張りすぎない育児ができる

育児はやることが無限にあります。若いママさんは体力がある分、何事も頑張ってしまい、ストレスがたまりがちです。高齢のママさんは体力の限界を知っており、物事に冷静に優先順位を付けたり、本当に外せない部分に注力することができます。

年齢とともに成長している

10代の自分と20代の自分、30代の自分を比べてみると、現在の自分のほうが人間的に成長しているのではないでしょうか。世の中の情報に惑わされず、自分自身の利益・不利益に左右されず、必要以上に子供に怒ったりしない。人生経験を重ねているからできる育児があるのではないでしょうか。

子育てにお金がかけられる

学費や習い事、洋服代など育児はお金がかかるもの。家庭によって事情は異なりますが、20代の夫婦よりも20代をしっかり仕事に打ち込んできた30代の夫婦のほうが収入や貯蓄があります。彼らはその分、育児や進学の際に選択肢が広がります。

若い頃自由にできたので思い残すことがない

若い頃に経験すべきことはたくさんあります。また、遊びたいという欲求も若い頃の方が強いです。そういったことを既に経験している夫婦は、子供のために我慢する、というストレスがありません。本当のところは欲求はあると思いますが、子供や配偶者に無理をさせてまで遊ぶことはないでしょう。

子育て中から老後資金を貯めることができるか