老後のために必要な貯蓄額の基準を「いくら必要だ」と金額で示すのではなく、退職直前の年収に対する倍率の「年収倍率」で表すという方法があります。仮に退職年齢が67歳だとすると、「年収の7倍の貯蓄を用意する」という目標に対して、30歳の時点で年収の1倍、40歳では2倍を貯めておきたいところ。

この計画を進めるには、毎年年収の16%を資産形成に回し、その資産を資産運用し続けることが大切です。とはいえ、「税込みの年収の16%を資産形成に」と聞くと難色を示す方も多いかもしれません。

ここで踏まえておきたいのが、現状に加えて年収の16%を資産形成に充てるのではなく、今の資産形成との総額で計算するという点です。会社が提供している確定拠出年金に加入している場合は、拠出している金額も含めます。財形貯蓄や持ち株会に取り組んでいるなら、すでに16%に近い水準まで達成しているケースもあるでしょう。

まずは資産形成の現状を振り返り、目標まであとどのくらい必要なのかを求めてみてくださいね。

まとめ

年金はいくら入ってくる予定なのか、年金だけでは足りない生活費はいくらと予想されるのか。これを把握しているかどうかだけでも、老後に対する不安は大きく左右されます。老後に必要なお金がイメージできたら、目標をたてて貯蓄を増やしていき、老後の不安をできるだけ和らげておきましょう。


【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部