4.10 ⑩:特別療養費

資格証明書の交付を受けている人が、医療費を一時的に全額自己負担した場合でも、後日申請を行えば、自己負担分を差し引いた額が返還されます。

ただし、保険料に未納がある場合は、払い戻される金額が未納分に充当されることがあります。

4.11 ⑪:葬祭費

被保険者が亡くなった場合、葬儀を行った喪主に対して給付金が支給されます。

この給付は、自治体における申請件数が比較的多い、代表的な給付の一つとされています。

5. 【2026年度から】「後期高齢者医療制度」の保険料の年間上限額が引き上げに

ここまで、後期高齢者医療制度における医療費の自己負担割合について確認してきましたが、最後に後期高齢者医療制度の保険料についても確認していきましょう。

後期高齢者医療制度の保険料は、近年引き上げが続いており、厚生労働省が公表した「令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について」によれば、2024年度は前年度と比べて7.7%増加し、続く2025年度にも1.6%の引き上げが行われています。

また、厚生労働省は、2025年12月に、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度について、保険料の年間上限額を現行の80万円から85万円へ引き上げる方針を決めました。

引き上げは2026年度から実施される予定です。

対象となるのは、年金と給与を合算した年収が1150万円以上などの高所得者で、全加入者のおよそ1~2%程度と見込まれています。

これは、高齢化の進展に伴い医療費が増え続けるなか、75歳以上のうち所得水準の高い層により多くの保険料を求めることで、中低所得層の負担を抑えることが目的とされています。

6. 「仕組みの理解」が安心につながる

本記事では、後期高齢者医療制度で加入者が受けられる主な給付を11項目に整理していきました。

近年は制度改正により、2割負担の導入や高所得者を対象とした保険料上限の引き上げなど、負担の在り方も変化しています。

自分や家族の所得状況がどの区分に当てはまるのかを把握し、制度の仕組みを理解しておくことが、将来の医療費や家計を考えるうえでの重要な備えとなるでしょう。

参考資料

鶴田 綾