高市早苗総理は2025年10月24日の所信表明演説で、税・社会保険料の負担に苦しむ人々の負担軽減策として「給付付き税額控除」の制度設計に着手する方針を示しました。
そして2026年1月9日、高市総理は政府与党連絡会議の席上で、給付付き税額控除の具体的な制度設計を含む「社会保障と税の一体改革」について言及しています。
高市総理は、この改革をスピード感を持って検討していくため、「国民会議」を今月中に立ち上げる方針であることを明らかにしました。
では、「給付付き税額控除」とはどのような制度なのでしょうか。
本記事では「給付付き税額控除」の詳しい制度解説と、3つの支援パターンについて解説します。
1. 給付付き税額控除とはどんな制度?
給付付き税額控除は、一言でいうと「減税(税額控除)+現金給付」で家計を支援する制度です。
納税額の多い人には所得税の税額控除という形で減税を行い、納税額が少ない人や所得税を納めていない人には、控除しきれない分または控除額全額を現金で給付する仕組みになっています。
2. 給付付き税額控除の3つの支援パターンを紹介!
給付付き税額控除には3つの支援パターンがあります。
仮に4万円控除なら、どのような支援パターンがあるのか紹介します。
2.1 パターン1. 税額控除のみの場合
年間の所得税納税額が控除額(減税額)以上あるケースです。
控除額分だけ納税額が軽減され、現金での給付はありません。
例えば控除額を4万円と仮定し、もともとの納める所得税額が5万円であれば、4万円の減税を受けて納税額は1万円に減ります。
2.2 パターン2. 税額控除+現金給付の場合
所得税の納税額が控除額に満たないケースです。
まず控除額によって所得税がゼロになり(減税)、控除しきれなかった残りが現金給付されます。
例えば所得税額が3万円で控除額が4万円なら、3万円分は減税で相殺されて所得税は0円となり、余った控除額1万円が給付金として手元に支給されます。
2.3 パターン3. 現金給付のみの場合
所得税を納めていない非課税世帯のケースです。
控除として差し引く税金がないため、控除額の全額がそのまま現金給付されます。例えば控除額が4万円の場合、所得税0円の世帯には4万円全額が支給されます。
このように全額が現金給付になるのは、所得税が非課税となる低所得者層です。
政府は2026年度税制改正で給与所得者の課税最低限(所得税がかかり始める年収)を178万円まで引き上げる方針を示しており、年収178万円以下の人は所得税が非課税となります。
つまり、給与収入ベースで年間約178万円以下の収入しかない人は、この給付付き税額控除において控除額全額を現金給付で受け取れる対象になると見込まれます。
なお、最終的な金額や所得制限については、今後の与野党協議で詰められる見通しです。
3. 給付付き税額控除はいつ始まる?導入時期の見通し
給付付き税額控除の制度設計に向けては、2025年9月に政府と主要各党の間で協議開始の合意がなされ、同年10月の臨時国会を経て検討が進められてきました。
2026年1月9日に高市総理は、与野党や有識者が参画する「国民会議」を今月中に立ち上げる方針を正式に表明しています。
ただし、実際の導入時期については、2026年1月現在も正式には決定していません。
政府は2026年中に制度設計を完了させる方針を掲げていますが、その後に必要となる法案の提出や行政システムの整備プロセスを考慮すると、実際の運用開始はこれらの手続きが完了した後となります。
この導入までに期間を要する主な理由としては、税制改正の手続きや給付事務のためのシステム構築に時間を要すること、さらには政治状況の変化が議論の進展に影響を及ぼす可能性があることなどが挙げられます。
また、安定的な財源の確保や、マイナンバーおよび公金受取口座を活用した給付の仕組みづくりなど、慎重な検討を要する課題が多く残されているためです。
引き続き、新設される国民会議での議論や政府、国会の動向に注目しておきましょう。
4. 給付付き税額控除が「誰に・いつ・どう届くか」を今後も要チェック!
給付付き税額控除は、所得税の減税と現金給付を組み合わせた新たな家計支援策として注目されています。
物価高や将来の増税への不安が続く中で登場したこの制度は、所得に応じた公平な支援を可能にし、多くの世帯を支援できるポテンシャルがあります。
ただし、その具体的な適用条件(控除額や対象となる所得水準)や開始時期はまだ確定していません。
今後の国民会議での議論や与野党協議の行方次第で制度の詳細が固まっていくでしょう。
家計への影響も大きい重要な政策ですので、最新情報をチェックしておくことが大切です。
参考資料
苛原 寛