そして今年の3月末では、“ゲノム”が新しいテーマとして出てきた感じです。ただ、上位5本の投資対象テーマはばらばらで、全体的なテーマとして何か大きなものが来ている感じではありません。ただし、1位には老舗の毎月分配型ファンドがランクインしています。

この投資信託のピーク時(2007年5月)の純資産総額は2.8兆円ほどにもなり、あの「グロソブ」に次ぐ巨大ファンドであったのです。最近パフォーマンスが回復し、分配金利回りも年15%程度にもなってますから、再度投資家の注目を集めているところだと思います。

この3月末では、上位5本中2本が毎月分配型の投資信託ですので、ひょっとして再び「毎月分配型ファンド」がブームになるのかもしれません。もっとも、これらの高分配毎月分配型ファンドの分配金には、元本払戻金が含まれていますので、純粋な運用収益のみを分配しているわけではありません。

年間の分配金利回りが10%を超えるような投資信託に投資する際は、元本払戻金を含まない真水の分配金の利回りがどのくらいなのか、必ずチェックしましょう。

このように人気のファンドはコロコロ変わるもの。賢明なる投資家は、“大衆の後追いをしない”でおくことにしましょう。繰り返しになりますが、「本来、投資信託は長期運用でコツコツ積み上げ、リターンを獲得していくのが王道」なのですから。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)