成人の日のニュースを見て、若い頃の自分を思い出したり、子どもの成長にしみじみしたりした方もいるかもしれません。1月も半ばを過ぎると、お正月のにぎやかさが落ち着き、日常のペースが戻ってきます。そんな中で、これから先の自分の暮らしについて、ふと考える時間が増えてくる時期でもあります。

「人生100年時代」と言われる今、50歳代は決してゴール目前ではありません。むしろ、これからの生活をどう組み立てていくかを、現実的に考え始めるタイミングと言えるでしょう。とはいえ、「今さら投資を始めても遅いのでは」と感じる方がいるのも無理はありません。

ただ、65歳までを区切りに考えてみると、まだ10年以上あります。その時間をどう使うかで、将来の安心感は大きく変わります。新NISAの仕組みを上手に使えば、預貯金だけでは得にくいお金の増やし方も選択肢に入ってきます。この記事では、50歳代から積立投資を始めた場合、65歳頃にどの程度の資産が見込めるのかを、具体的な数字を交えて見ていきます。

1. 【基本的な仕組みを理解】なぜ「新NISA」は利用するとお得なの?

まずは、新NISA制度の基本的な仕組みを確認しておきましょう。

NISAは、通常であれば約20.315%の税金が課される運用益が非課税となる制度です。

2014年に導入されましたが、2024年の大幅な制度改正により内容が見直され、「新NISA」として新たにスタートしました。

1.1 【新NISA】「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の特徴をおさらい

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴1/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限額:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限額:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:投資信託やETF

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

新NISAの最大のメリットは、運用によって得た「売却益(譲渡益)」や「配当金」に対して、本来かかる約2割の税金が非課税となる点です。

運用で得た利益を非課税で受け取れるため、これから投資を始める人にとって、新NISAは活用を検討したい制度といえるでしょう。

また、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は同時に利用できるため、ライフステージや資金状況に応じて運用スタイルを柔軟に選択できます。

新NISAでは、毎月コツコツ積み立てる「つみたて投資枠」が広く活用されていますが、まとまった資金がある場合には「成長投資枠」を使った一括投資も可能です。

さらに、非課税で保有できる期間が無期限となったことで、より長期的な視点で資産形成に取り組みやすくなっています。

2. 【年利別シミュレーション】50歳から65歳まで「毎月5万円」を積み立てた場合の資産額

では、実際に運用した場合にどの程度の資産規模になるのか、以下の条件をもとにシミュレーションしてみましょう。

  • 期間:50歳から65歳までの15年間
  • 積立額:毎月5万円
  • 年利:1~5%

2.1 【シミュレーション結果】「毎月5万円」×15年×想定利回り「年率1~5%」の資産額

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果2/3

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回り:資産評価額※元本は900万円

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

元本900万円を年1〜2%で運用できた場合、最終的な資産額はおよそ1000万円前後になる見込みです。

年4%で運用できれば約1200万円、年5%では1300万円を超える水準まで増える計算となります。

ただし、実際の運用利回りは事前に確定するものではなく、状況によっては元本割れのリスクもある点には注意が必要です。

リスクの許容度は家庭や個人ごとに異なるため、複数のシミュレーション結果を参考にしながら、自分にとって無理のない運用方法を検討していきましょう。

3. 【みんなの食費】ひと月あたりの食費はいくら?「年代別」でチェック

家計の中でも、日々の意識次第で見直しやすい支出のひとつが「食費」といえるでしょう。

ここでは、総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」をもとに、二人以上世帯における月あたりの平均的な食費を確認します。

「年代別」ひと月あたりの食費3/3

「年代別」ひと月あたりの食費

出所:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」をもとにLIMO編集部作成

全体平均 7万5258円

  • ~29歳 5万2413円
  • 30~39歳 6万9433円
  • 40~49歳 7万9900円
  • 50~59歳 8万1051円
  • 60~64歳 7万9831円
  • 65~69歳 7万7405円
  • 70~74歳 7万4322円
  • 75~79歳 6万8274円
  • 80~84歳 6万6257円
  • 85歳~ 6万3347円

二人以上世帯の月間食費は、50歳代で約8万円と最も高く、その後は60歳以降にかけて徐々に低下し、85歳以上では6万3347円となっています。

食費は、世帯構成やライフステージによって大きく変わりますが、所得水準が低い世帯ほど「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が高くなりやすい傾向があります。

物価上昇が続くなかでは、食料品の価格動向を意識しつつ、食生活と家計全体のバランスを上手に整えていくことが大切だといえるでしょう。

4. 65歳はゴールではなく通過点と考えて時間を味方につける

50歳代から始めるからといって、決して手遅れというわけではありません。シミュレーションを見ても分かる通り、10年、15年と時間をかけて積み立てていけば、ただ預金しているだけでは生まれにくい差が少しずつ出てきます。

新NISAも、65歳になったら必ず売らなければならない制度ではありません。70歳代、80歳代になっても運用を続けながら、必要な分だけ取り崩していくという考え方も十分に現実的です。

大事なのは、「もう遅い」と決めつけて何もしないことではなく、今の自分にできることを一つ始めてみることです。新NISAという制度を上手に使いながら、将来の自分に少しずつ回していく。そんな気持ちで、無理のない金額から始めてみてもいいのではないでしょうか。積み重ねた時間は、きっと後になって心強い味方になってくれるはずです。

参考資料