老後の生活を支えるために、公的な給付金制度を最大限に活用することが重要です。しかし、多くのシニアが利用可能な制度を知らないまま過ごしているのが実情です。
一方で、金融機関から勧められるまま、高齢者に不向きな金融商品を購入してしまうケースもあります。
本記事では、シニア世代が知っておくべき5つの給付金と、高齢者の資産形成で気を付けたい金融商品について詳しく解説します。
1. シニア向けの代表的な給付金5選
65歳以上のシニア層を主な対象として、社会保険制度にはさまざまな給付金の仕組みが整備されています。どのような制度が利用可能なのか、具体的に見ていきましょう。
1.1 年金生活者支援給付金
年金の受給額や所得が一定の基準を下回る方に支給される制度が、年金生活者支援給付金です。通常の年金に上乗せされる形で、偶数月に給付を受けられます。
受け取れる金額は、年金の種類や所得などによって異なりますが、多い場合は年間6万円ほどになります。受給要件を満たしているか確認し、不明な点は年金事務所で相談してみましょう。
1.2 高齢者住宅改修費用助成制度
高齢者住宅改修費用助成制度は介護保険から支給される給付制度で、要介護認定を受けた方の住宅改修を支援します。
以下のような工事を行った場合、費用の原則9割(上限18万円)が給付されます。
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
事前にケアマネジャーへの相談が必要です。自宅で安全に生活を続けるために、必要な改修を話し合ってから工事に取りかかりましょう。
1.3 高年齢雇用継続基本給付金
60歳以上65歳未満で雇用保険の加入期間が5年以上ある方を対象とした給付制度です。60歳以降も働き続ける方の就業意欲を維持し、雇用の継続を支援します。60歳時点の賃金と比較して75%未満に低下した場合、賃金の低下率に応じて、最大で賃金の10%相当額(※令和7年3月末までに60歳に到達した方は最大15%)が給付されます。
令和7年4月1日以降に60歳に達する方で、賃金が60歳時点の64%以下に低下した場合、支給割合は10%となります。例として、月の賃金が20万円であれば「20万円×10%=2万円」が給付されます。
1.4 高年齢求職者給付金
65歳以上で失業した方が受け取れる給付金です。離職前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6カ月以上あり、就職する意思がある方が対象です。
被保険者期間に応じて、基本手当相当額の30日分または50日分が支給されます。通常の失業給付とは異なり、高年齢求職者給付金は一時金で支給される点が特徴です。
1.5 厚生年金の加給年金
厚生年金の加給年金とは、厚生年金を受給しており、65歳になった時点で65歳未満の配偶者や18歳到達年度末までの子どもがいる場合に加算される年金です。具体的な金額は、配偶者や子に応じて以下のように決められています。
- 配偶者:23万9300円
- 1人目・2人目の子:各23万9300円
- 3人目以降の子:各7万9800円
初めて年金を請求する際に、必要な書類とともに年金事務所または街角の年金相談センターへ申請します。受給開始後に新たに対象者が生じた場合は、改めて「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」を提出しなければなりません。


