「老後資金2000万円問題」という言葉が話題になったように、老後までに2000万円の資産を準備したいと考える人は少なくありません。

では、新NISAを使って65歳までに2000万円を築くには、毎月いくら積立投資をすれば良いのでしょうか。

本記事では、新NISAを活用し65歳までに資産2000万円を目指す場合、積立期間に応じて毎月どれくらい積み立てる必要があるか、運用利回り4%で試算します。

将来のために少しでもゆとりある老後資金を準備したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 新NISAで資産形成をするメリットは「運用益が非課税になる」こと!

2024年から始まった新NISAは、資産形成を効率的に行える魅力的な制度です。

最大のメリットは、投資で得た利益が非課税になる点にあります。

通常、株式や投資信託の売却益・配当金など投資で得た利益には約20%の税金がかかります。

しかし、新NISA口座で運用すればその約20%の税金がかからず、利益をまるごと手元に残すことができます。

たとえば100万円の利益が出た場合、本来なら約20万円の税金を差し引かれて80万円しか手元に残らないところ、新NISAなら100万円すべてを自分の資産として活用できるのです。

新NISAのメリット「運用益が非課税になる」1/4

新NISAのメリット「運用益が非課税になる」

出所:金融庁「NISAを知る」

こうした非課税メリットによって、同じ運用成績でもより早く目標金額に到達しやすくなるため、効率的な資産形成が可能です。

さらに新NISAでは、非課税で保有できる期間が無期限となり、一人当たり最大1800万円まで投資可能(年間では最大360万円)と制度が拡充されています。

途中で売却しない限り非課税メリットが半永久的に続くため、若い頃からコツコツと長期にわたって運用益の非課税効果を享受できます。

老後資金のような長期の目標でも、新NISAなら安心して計画を立てられるでしょう。

2. 【新NISAで資産形成】「積立投資」とは?

新NISAを活用して資産形成をする場合、「積立投資」という手法が選択肢の1つとしてあります。

積立投資とは、市場価格の変動にかかわらず、あらかじめ決めた一定金額を定期的に投資し続ける方法となっています。

価格が上がっている時も下がっている時も淡々と同じ額を買い付けることで、長期的には「高値づかみ(価格が割高なときにまとめて買ってしまうこと)を避けやすい」「価格が安いときには自動的に多くの量を買える」といったメリットが期待できます。

実際、金融庁も「長期・積立・分散投資」の有効性を資産形成の基本として紹介しています。

積立投資2/4

積立投資

出所:金融庁「資産形成の基本」

相場の上下を正確に予想することは専門家でも困難な傾向にありますが、積立投資なら時間を味方につけてリスクを平準化できるとされています。

毎月一定額を投資し続ければ、価格が高い月には少ない数量を、価格が安い月には多くの数量を購入することになり、結果として購入単価が平均化されます。

こうした手法で長期間コツコツ持ち株数・口数を増やしていけば、市場の波に左右されにくく着実に資産を築けるでしょう。

新NISAの非課税メリットと積立投資の組み合わせは、初心者にとっても堅実かつ効果的な資産形成の方法の1つと言えます。

3. 65歳までに「2000万円」増やすには毎月いくら積み立てればいい?(年利4%で試算)

では実際に、新NISAの積立投資で65歳までに資産2000万円を目指すには、毎月どれくらいの金額を積み立てる必要があるのでしょうか。

現在の年齢から65歳までの残り運用期間ごとに、必要な月々の積立額をシミュレーションしてみましょう。

ここでは運用利回り年率4%で運用できたと仮定します。

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

積立投資で資産2000万円を目指すのに必要な「毎月の積立額」3/4

積立投資で資産2000万円を目指すのに必要な「毎月の積立額」

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を基に筆者作成

3.1 「2000万円」築くために必要な毎月の積立金額

積立期間:積立金額・元本

  • 10年間:13万6337円・1636万円
  • 15年間:8万1748円・1471万円
  • 20年間:5万4969円・1319万円
  • 25年間:3万9305円・1179万円
  • 30年間:2万9186円・1051万円
  • 35年間:2万2225円・933万円
  • 40年間:1万7226円・827万円
    ※運用利回りは年率4%

シミュレーション結果から、積立期間が長いほど「毎月の負担額は小さくなる」ことがわかります。

たとえば25歳から40年間積み立てる場合、毎月約1万7000円で2000万円を目指せますが、55歳からの10年間では毎月13万円超が必要です。

35歳から30年間なら約2万9000円、45歳から20年間では約5万5000円と、開始時期によって負担額に大きな差が生じます。

また、拠出する元本の総額にも大きな違いがあります。40年間積み立てた場合の元本は827万円で済む一方、10年間では1636万円が必要です。

運用期間が長いほど複利による運用益の割合が大きくなるため、早く始めるほど自己負担を抑えやすくなります。

仮に預貯金だけで2000万円を準備する場合、30年間で毎月約5万5000円の積立が必要となるでしょう。

これと比べると、投資で運用益を得ながら積み立てることで、必要な月額を大きく抑えられることがわかります。

なお、預貯金の場合、わずかにつく利息からも20.315%の税金が引かれますが、新NISAであれば運用益はすべて非課税です。

この「税金の差」も、長期的な資産形成において大きな差となって現れることが考えられます。

4. 新NISAの積立投資は時間を味方につけることも大切

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umaruchan4678/shutterstock.com

本記事でのシミュレーションから、65歳までに資産2000万円を達成できるかどうかのカギは「いつから積立をはじめるか」にかかっていることがわかります。

早くはじめて長く続けるほど毎月の負担は小さく抑えられ、時間と複利の力を活かした資産形成を目指せます。

その反対に、スタートが遅れるほど短期間で大きな金額を準備しなければならず、月々の負担も重くなってしまいます。

積立投資は相場の先行きを読まなくても、決まった額をコツコツと続けるだけでリスクをならしながら資産を増やせる手法です。

今回シミュレーションした老後資金2000万円という目標は決して小さくありませんが、コツコツ続けることにより資産形成が期待できます。

また資産運用において、リスクとリターンは比例する傾向にあり、価格変動リスクなどが伴うことをよく理解しておくとが大切です。

資産運用は生活資金を用いるのではなく、余剰資金で検討することがポイントとなりますので、まずは家計やライフスタイルに合った資産形成の方法を検討するようにしましょう。

資産形成の長期にわたる継続が、ゆとりある老後への現実的な道筋をつくってくれるはずです。

参考資料