物価高騰が続く中、新たな経済支援策として「給付付き税額控除」が大きな注目を集めています。

2025年12月17日、高市総理は記者会見にて、本制度を含む「税と社会保障の一体改革」を議論する国民会議を早期に設置する方針を表明しました。

本制度の最大の特徴は、従来の減税では恩恵が届きにくかった低所得層や非課税世帯に対し、直接的な「現金給付」を組み合わせる点にあります。本記事では、制度の仕組みをケース別のシミュレーションで分かりやすく解説し、物価高対策などの支援対象の基準となることが多い「住民税非課税世帯」の条件についても詳しく見ていきましょう。

1. 給付付き税額控除とは?

給付付き税額控除は、所得税額から一定額を差し引く「税額控除」と、現金での「給付」を組み合わせた制度です。

その最大の特徴は、税額控除だけでは引ききれない金額を現金で支給する点にあります。

この仕組みにより、所得税の納税額が少ない方や、所得が低く非課税となっている方にも、支援が行き渡るよう設計されています。

1.1 控除額10万円の場合のシミュレーション

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

LIMO編集部作成

ケース1:中・高所得層

  • 所得税の納税額が30万円で、控除額の10万円を上回るケース
  • 適用内容:10万円全額が減税(税額控除)として適用されます。
  • 結果:納税額は20万円に減り、税負担が軽くなります。

ケース2:低所得層

  • 所得税の納税額が8万円で、控除額の10万円に満たないケース
  • 適用内容:まず納税額8万円分が減税され、納税はゼロになります。控除しきれなかった差額の2万円は現金で給付されます。
  • 結果:納税の負担がなくなると同時に、2万円の現金を受け取ることができます。

ケース3:非課税世帯

  • 所得税の納税額がゼロのケース
  • 適用内容:差し引くべき所得税がないため、控除額の10万円が全額現金で給付されます。
  • 結果:これまで減税の恩恵を受けられなかった層にも、直接的な経済支援が届くことになります。