日本銀行は2025年12月18日・19日に開催された金融政策決定会合において、政策金利を0.50％程度から0.75％程度へ引き上げることを決定しました。
このような金利上昇期に注目したいのが、個人向け国債の「変動10年」です。2025年12月募集分の適用利率は1.23％となりましたが、今回の追加利上げは、半年ごとに金利が見直される変動金利タイプにとって追い風となる可能性があります。
資産形成におけるこの好機をより深く理解するため、これまでの適用利率がどのように変動してきたのか、過去のデータと共に振り返ってみましょう。
1. 【2025年12月】個人向け国債の金利動向：「変動10年」は1.23％、固定金利も1％台に
「個人向け国債」とは、日本政府が個人の投資家を対象に発行する債券のことです。
国が元本と利息の支払いを保証しているため、日本国内で提供されている金融商品の中では、極めて安全性が高い資産の一つとされています。
個人向け国債には「変動金利タイプ」が1種類と、「固定金利タイプ」が2種類の合計3種類があり、それぞれ満期までの期間が設定されています。
1.1 変動金利型（10年満期）の概要
- 適用される利率が半年ごとに見直されます。
- 金利には年率0.05％の最低保証が設定されています。
- 市場金利が上昇した場合、それに連動して受け取れる利息が増加する点が大きな魅力です。
1.2 固定金利型（5年満期）の主な特徴
- 購入時に定められた利率が、満期を迎えるまで変動しません。
1.3 固定金利型（3年満期）の主な特徴
- 5年満期と同様に、発行時の金利が満期まで適用され続けます。
なお、2025年12月4日（木）から12月30日（火）の期間に募集される個人向け国債の金利は、以下の通りです。
- 変動金利型10年：1.23％（前月11月募集分は1.10％）
- 固定金利型5年：1.35％（前月11月募集分は1.19％）
- 固定金利型3年：1.10％（前月11月募集分は0.99％）
変動10年、固定5年、固定3年のいずれのタイプも、11月の募集時と比較して利率が上昇しています。
もし10年以上利用する予定のない資金で個人向け国債の購入を検討する場合、「どの期間を選ぶか」で迷うかもしれません。
「今後の金利上昇を期待するなら、半年ごとに利率が見直される変動10年が有利だ」という意見や、「固定5年の方が利率が高い。5年後に満期を迎えた後、その時点の金利で再度購入すれば良い」といった考え方もあります。
変動10年の適用利率が過去にどのように変動してきたのか、具体的なデータを見ていきましょう。
